第三十一話 驚異の投擲力
なんとレビューをいただきました。本当にありがとうございます。
こんなに早く頂けるとは思ってもいなかったので、とてもうれしいです。
レビューを読ませていただいて、これからも面白い作品になるように頑張ろうと思いました。
裸ゴブが石を拾い上げ、構える。
フォームがプロ野球選手の投球のそれだ。
進化した裸ゴブが【投擲】するところをまだ見てないので、どのくらいの精度で投げてくるのかは未知数だ。
構えがプロのそれなので、めっちゃ正確に飛んできそうで怖い。
裸ゴブが醸し出す雰囲気のせいで、余計にそう感じているのかもしれないが。
裸ゴブのステータスを見ると、【投擲】のスキルレベルが高かったので油断しないほうがよさそうだ。
とはいえ、ただ進化するだけで絶望的だった【投擲】の腕が上がったりするのだろうか?
実力が正確にはかれない以上、最初の内は全力で躱すのに徹底したほうがいいだろう。
裸ゴブが腕を振る動作に入った。
どうやら考えている暇はないようだ。
地面を強く蹴って飛び上がり、狙いを定めにくくするために飛び回る。
裸ゴブのほうを見ると腕を振り切ったあとだった。
投げ出された石はかなりの速度でこちらに飛んできている。
これはヤバいな……。
進化前のへたくそな投擲がまるで嘘みたいだ。
当てられにくくするために飛び回っていたというのに、こうも正確に石が飛んでくるとは……。
裸ゴブの投げた石はかなりの速度でこっちに飛んできたが、ギリギリのところで躱すことができた。
外れて通り過ぎていった石を横目に見つつ裸ゴブの倒し方を考える。
当たらなかったとはいえ、石は俺の体をぎりぎりかすめるところに飛んできた。
裸ゴブは河原にいるから投げるものには困らない。
そして、投げられたものはかなり正確に俺のほうに飛んでくる。
進化前とは比べ物にならない強さだ。
正直進化したところであまり変わらないだろうと思っていたが、その認識は改めないといけないな。
裸ゴブは間違いなく強敵、それもおそらく過去一番強いだろう。
裸ゴブのほうを見ると、もう振りかぶる動作に入っていた。
次に投げるまでのスパンが思ったよりも短い。
あの精度でどんどん投げられたらかなり厄介だ。
飛行中に軌道をいきなり変えたり、降下したりして捕捉されにくくする。
これならさっきよりも狙いにくいだろう。
不規則な動きをしたのもあって二度目の投石は不発に終わったが、このまま投げ続けられたら厄介極まりない。
俺からも攻撃を加えていかないとな。
すぐに【ファイアーボール】を放つが、裸ゴブも次の投石の準備に入っていた。
裸ゴブの投げた石と迫りくる火球が交差する。
打ち勝ったのは石のほうだった。
【ファイアーボール】を放った時点で撃ち負けると思っていたので、すでに石の軌道からそれたところに移動している。
ここならあの石に当たる心配はないから、裸ゴブが石を投げ切った隙に【ファイアーボール】で攻撃できる!
だが、【ファイアーボール】を打ち消した石は突如軌道を変えて、そのまま俺めがけて飛んできた。
あろうことか変化球だ。
嘘だろ!?
裸ゴブのやつ、こんなことまでできるようになってるのかよ!?
予想外のことにびっくりしたせいで行動の出だしが遅くなってしまい、躱すのがかなりギリギリになってしまった。
石が翼の表面をかすって飛んでいく。
あ、危ねえ……。
正確なところに投げるどころか、変化球まで交えて狙ってくるとは……。
洒落にならねえ強さだ。
今度は三発【ファイアーボール】を放つ。
これなら防ぎきるのは難しいだろう。
そう思って裸ゴブのほうを見ると、なぜか顔に笑みを浮かべていた。
まさか防ぐ自信があるのか?
裸ゴブはこれまでひとつずつ投石していたが、今度は左手に二個、右手に一個石を持っている。
右手の石を投げた直後に、左手の石をひとつ掴んでもう一度投げ、左手に残った最後の一個を同じようにもう一度投げる。
三つの石を全部投げる動作に無駄はなく、投げられた石は三つとも【ファイアーボール】へ正確に飛んでいく。
これが裸ゴブのスキルにあった【三連投擲】というやつか。
目にもとまらぬ早業であれだけ正確に投げられるのは驚異的だ。
三つの石が【ファイアーボール】を打ち消したあと、ふたつの石の軌道が変化し俺に向かってきた。
だが、二つの変化球は俺に直撃するコースではなく、近くをかすめるコースで飛んできた。
なのでよけるのは簡単だったが、避けたあとに変化しなかった石が俺に直撃するコースで飛んできているのに気付いた。
石が飛んでいく先に俺が来るように計算して変化球を投げたのか……!
とっさによけようと体をひねるが、飛んできた石は俺の左足に直撃してしまった。
足に石が当たった衝撃でバランスを崩してしまい、うまく飛ぶことができずに地面に墜落してしまった。
なんとか体勢を整えて着地することはできたが、このままだと追撃が来る。
それだけは何としてでも避けなければならない。
裸ゴブは【ファイアーボール】を防ぐだけじゃなく、変化球を混ぜて誘導までしやがった。
【投擲】の速さ、精度、次が来るまでのスパン、変化球、誘導、どれも予想以上だ。
左足は痛むが戦いを続けるのに支障をきたすほどではねえ。
ここからどうにか反撃してやる!
当初の予定だと、ささっと倒されて経験値になるはずだったのに、書けば書くほど裸ゴブが強キャラになっていく……。露出狂の変態ゴブリンで終わらすはずだったのにどうしてこうなった。
あと一話か二話で終わるはずです。
今日で初投稿からちょうど一か月です。
たったの一か月で感想やレビューまでいただいて、こんなにもたくさんの人に見てもらえるとは思っていませんでした。本作品が初投稿だし、自分は文才がないと思っているので、たくさんの人に喜んでいただけてうれしい限りです。
これからも投稿を続けていくので、作者と本作品をよろしくお願いします。





