20話
黙ってついていくと、生徒会棟についた。
2年生だけでなく、1年生も所属できるため、校舎とは別に生徒会専用の建物があるの。
敷地が広いから、結構専用の建物が多い。
ちなみに、講堂を挟んで1年棟と2年棟に別れているよ。
それぞれの棟に、美術室とか音楽室とか地下体育館とかついてるんだ。
だから、先輩とすれ違うことはあまりない。
接点が持ちにくいから、合同授業とかがたまにあるみたい。
あとは、委員会とか?
「ルナちゃん、ここ座っていいよ。」
促されるまま、ソファーに座る。
すると、シルクは私の真横に座り、肩にもたれかかってきた。
え!?
なに??
私が慌てていると、シルクはゆっくり話し始めた。
「ルナちゃんが知らない男と一緒にいる声がして、焦っちゃった。」
うん、それで?
「なんでか、わかる?」
いやぁ…
わかりませんね。
「ルナちゃんのことが、大切だからだよ。」
そうですか…
私が黙ったままでいると、シルクは起き上がって、顔を覗き込んできた。
「意味わかってる?」
かわいい顔が近づいてきて、びっくりする。
本当にかわいいな、おい!
「あはは、こんなこと言われても困っちゃうよね。」
そう言いながら、離れてくれた。
「さ、授業に遅れないように教室行こうか。」
えぇ、なんだったの?
シルクに送ってもらい、教室につく。
「もう迷子にならないので、大丈夫です。」
「心配だからじゃなくて、一緒にいたいからだよ。」
そんな感じで、流されるままに送ってもらった。
それにしても、さっきのは何だったんだろう?
あんなシルク、ゲームの最後あたりでしか見たことないのに…
って、そういうことか!
好感度がもう結構高いってことか!
え、やばくね?
そういえば、ルイにもデートに誘われたな…
え、ルイも結構高いってこと?
とてつもなく、やばい。
このままじゃ、ヤンデレくんに会う前にルート分岐行っちゃう!
どうにかしないと…
1人で悩んでいると、知らん女が近づいてきた。
「ちょっといいかしら?」
おぉ、デジャブ…
「なんですか?」
今度はどの女だ?
「あなた、ルイ様とどういった関係でいらっしゃるの?」
ルイか…
昨日、教室で抱きしめられちゃったしな…
「友達だよ。」
それ以上でも、それ以下でもない。
「友達って…あなたみたいな制服組が相手にされるような御方ではないのは、理解しているかしら?」
久しぶりに感じる差別。
でも、友達だから仕方がなくない?
「そう言われても、私とルイは友達だから。」
ハッキリともう一度言う。
女は、ムカついたのか睨みつけてくる。
「身の程をわきまえたら、どうかしら?」
「そうですね。でも、友達なので。」
「友達じゃないよ。」
声の方を見ると、ルイだった。
え、私たち友達じゃなかったの…
「ほら、みなさい。あなたのような子が相手にされるわけないのよ!」
女は勝ち誇った顔をしている。
私は泣きそう…
スティとケンカしてるときに、ルイからも「友達じゃない」って言われたんだよ?
もう泣いていいですか?
「友達じゃなくて、恋人だよ。ね?」
は?




