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女の生涯

--50年前。この街は小規模ながら、映画で栄えていた。


しかし、戦争の足音はこの街にも忍び寄っていた。


俳優の男女は一念発起し、安全な地へ移住して、俳優としてもさらなるステップを踏み出そうと海外逃亡を計画した。


二人はその街では有名な俳優であったため、共に行動するにはとても目立ってしまう。旅の資金は男が預かり、後で落ち合うことになった。


その落ち合い方とは…、まずある場所で女が馬車に乗る。そして、座席下の荷物入れに隠れる。


そして、その後、男も別の場所からその馬車に乗り、街を出たところで合図を送り、荷物入れから出てくるという算段であった。


女は約束通り、馬車に乗り込み、荷物入れに隠れた。しかし、いつまで経っても男からの合図がなかったので、業を煮やし荷物入れから出てきた。


そこには男の姿はなかった。


馭者に何か聞いていないか確認したが、行き先しか告げられていないし、支払いは済んでいるから、そこまでは送ると言われた。


女は「裏切られた」と思った。しかし、もう街に戻ることもできないので、何とかして新天地へと向かったのであった。



数年後、彼女は新天地で売れっ子女優となった。そして、晩年、自身の海外逃亡の経験を題材とし、脚本を書き上げ、その作品もヒットしたのである。



彼女が作った映画は、彼女の実体験とは異なり、逃亡した男女が幸せになるハッピーエンドだった。


馬車の荷物入れから女が出てくると男はこう言うのだ。




「やぁ、メアリー。待たせたね。」と。



〜おわり〜


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