魔王は魔王らしく魔王討伐の騎士団を壊滅させたいと思います。
「あっはははは、こいつら全く気がつかねぇww。」
「流石にこれは不用心過ぎますね。」
映像を確認しつつ二人が言う。
「いいんですか、こんなにのんびりしてて。」
「気がついてもらわないといけないんだよ。」
「そしてここに来たところを倒すってわけ。」
全く、なんか祐もノリノリだしどうしようか。
「でも実際勝てるんですか?」
「あー、そっちの心配か。人数とかってことだな、多分大丈夫だ。ほれ。」
映像の方に指を向けていたので確認する。
写し出されていた騎士はトレーニング等をすることもなくただ単に過ぎ行く時間を遊びに費やしていた。
暫く確認していたが殆ど動かない。
「人数はいても意味を持たなそうですね。」
「俺がいたときもそんな感じだったからな。」
動きは無い・・・かな。
ステータスも大きく変化なし、と。
あ、こっち向いた。
「お、気がついたかな?」
「慌ててますね。」
「それじゃ俺達も行くぞ、嬢ちゃんも来い。」
「あ、はい。」
どこに向かうんだろ、あ、騎士団の所か。
案の定騎士団はお怒りの様子だった。
町に被害を加えたくないのか、それとも負けた場合に見られるのが嫌なのかは知らないが中に入れてくれた。
「どういうおつもりか、ファゼル殿。」
「閉じ込めておいてそんなこと言うかよ、元団長。」
この人が今の騎士団長か。
なんか、弱そう。
「それで、どうするよ。」
「こちらは100はいます、3人程度訳無いですよ。」
真偽魔法っと、嘘だ。
今にも逃げ出したいくらいに怯えてるのかな。
「嬢ちゃん達は下がってな、俺一人で大丈夫だ。」
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
祐は私の手を引いて下がる。
あの人強いんだよね?
彼は何処からか刀を取り出した。
黒く長い刀。
「盗難魔法」
唱えた彼の手には金色に光る硬貨。
それに財布もあった。
なんか、騒ぎ散らしてるなー。
自分のがあるかどうか確認してるんだろうね。
「教訓1・戦闘相手から目を離さない。」
「うわっ!?」
あ、一人やられた。
「ほら、返すぜ。」
「あ、俺の財布!!」
「教訓2・敵が投げたものには細心の注意を払え。」
「ぐわっ!?」
「そっちもだ、『横一文字』」
横向きの斬撃があっという間に騎士達を薙ぎ倒す。
「教訓3・技の発動は悟られないように。皆忘れてるぞ?」
流石元勇者、圧倒的だ。
次の瞬間ファゼルさんがロープで縛られた。
「『拘束魔法』如何なる時も油断しない。教訓4ですぞ?」
「よく覚えてるな。でも惜しかった。」
彼の指につけられたクリスタルが光を発する。
すると彼は縄の中ではなく私達の後ろにいた。
「やっぱりあるとありがたいわ、これ。」
「それ、俺のじゃないですか、最初の奴で奪ってたんですね。」
「たまたまだよ、悪かったな。」
そういって祐に返す。
「『駿足』後一歩足らなかったな。」
急に敵の後ろまで移動するファゼルさん。
そのまま切り捨ててしまった。
「てか、これって死んじゃってるんですか?」
「死んでない、峰打ちだ。」
良かった。
「代わりに魔王城までテレポートさせてやれ。」
「それはそれで・・・」
と、呆気なく騎士団は壊滅してしまったのだった。
物量積まなければ。