○○しないと出られない部屋 1
目を覚ますと見慣れない部屋にいた
公爵家とも王宮とも違う部屋
拐かされたのかと思い周りを見渡そうとした時、後ろから声をかけられた
それは、とても聞きなれた声だった
「目が覚めたみたいだね、クリス」
「オスカー様…」
まさか、オスカー様が私をここに連れてきた犯人…?
そう疑ってしまった私は、オスカー様に
「ここはどこですか?」
と尋ねた
オスカー様は
「私も分からないんだ」
と答えた
オスカー様がここに連れてきたのではないの…?
そうでないとするのならば、誰が私たちをここに?
いえ、それよりも王太子、及び王太子妃の誘拐となってしまうのだけれど、そんなことを騎士達が許すのかしら
1人、考えを巡らせているとオスカー様が話かけてきました
「色々と考えるのはわかるけど、とりあえず脱出を試みないかい?
私も先程目覚めたばかりでね」
「そうですね」
考えるのは後、もしくは誘拐犯さんに直接聞けばいいから、今は私たちができることをするべきでしょう
何故か私たちは拘束されていないし
いや、いい事なのだけど、誘拐だとしたらダメだよね
まぁそのおかげで助かるからいいのだけれど
……とりあえず1番目がいく扉の前にオスカー様と来ましたが、私の背の2倍ほどもありそうな大きな扉
そして、その扉の中心に貼られた
『○○をしないと出られない部屋』
と書かれた紙
これはあれですか?
キスですか?
キスですよね?
前世にあったネタですよね?
とまぁ1人脳内でわちゃわちゃしていたらオスカー様がお声をかけてきました
「クリス、何かわかる?」
「ひゃい!あ、いえわかりません!」
ムリ!ムリです!
オスカー様にキスをせがむとかムリ!
「クリス?
なにか心当たりがあるんだね?」
「ないです!
ないです〜!」
当然のごとく私の様子がおかしいのに気づかれたけど、言えるわけない
「わ、私の思っているものが違うかもしれませんので、とりあえず部屋の中を色々と確認してみましょう!」
と私が言えばオスカー様は納得していないご様子だったのだけれど、私が近くにあるものに手を付け始めたのを見て、私を問い詰めるのを諦め、ご自身も周りを物色し始めました
「クリス、何か見つかった?
私は特になにもなかったよ」
「ふぇ!あ、はい
私も特には何も!何もありませんでした!」
しばらく周りを探した後、オスカー様が話しかけてきました
そしてごめんなさいオスカー様
私は嘘をつきました
本当は色々ありました キスをしている男女の写真やイラスト、あと、日本語で「キス」と書かれた紙など…
はい、ここはどう考えてもキスをしないと出られない部屋ですよね
私はそれをオスカー様に伝えないといけないの?
……無理です!
「クリス?私に隠し事をするの?」
うっ、いや、その
隠し事といいますか、ただ言えないだけなのですが…
といいますか、本当にオスカー様には嘘や隠し事が出来ないな、と思います
全てバレてしまうのです
うーん、こうなりゃ、ヤケだ
幸いにも私たちは扉の前にいる
「オスカー様!
屈んでください!」
彼の名を呼び、いやむしろ叫び、少し驚きつつも私の言葉に従って屈んでくれたオスカー様の唇を狙って自身のそれを押し付けた
その瞬間、私たちの体は光に包まれた




