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14 なぜなのですか

 


 今私は、王城の応接間にいる

 パーティが終わった後、オスカー様に連れてこられたのです

 パーティの最中は多くの人に祝われ、2人で話すことが出来なかったから、多分今からお話をするのだと思う


「ねぇクリス」


「ふぁい!」


 あ、驚いて声が裏返ってしまった

 オスカー様はお上品に笑っている


 ……いくらなんでも笑いすぎじゃないですか!?

 もう5分程たちましたよ


「そ、そんなに笑わないで下さいよ…」


「あぁ、ごめんね

 クリスがあまりにもかわいすぎて」


 今なんと言いましたかこの王子は

 かわいすぎる?


「…頭でも打ったのでしょうか」

「ん?」


 あ、心の声が漏れてしまった


「ねぇクリス

 私に隠している事はない?」


 ……バレた?

 色々と心当たりがありすぎる

 というか、いつからこの王子私のことクリスって呼ぶようになったの!?

 今までずっとクリスティーネ嬢だったのに

 ……さっきからか


「何を考えているの?

 私の質問に答えてよ」


 ヒィー

 現実逃避の時間すら与えてくれないのですか!

 えっと、なんだっけ

 隠し事?

 隠し事って、言えないから隠してるのであって言えるのであれば隠しませんが?


 なんとかこの場を切り抜ける方法

 ……隠してる中で、オスカー様に知られてもあまり問題のないことを伝えればいいのか


「オスカー様、それは私が婚約破棄をしようとしたことでしょうか」


 これならいいでしょ

 もう結婚することになっているのだし

 無理だったのだわ

 と思ったら


「それは知ってる」


 ん?あれ?

 知ってたの?

 なんで?

 困惑する私に、ユリウスが教えてくれた、とオスカー様は言った

 ユリウス様、私の相談を伝えたのですか!?

 そういえば前にオスカー様が我が家にいらっしゃって婚約破棄するつもりがないと私に言いに来た時に言っていたような…


「他には?」


 他?

 色々ありますが言えませんけど?

 例えば、前世の記憶があることとか、ここが乙女ゲームの世界であることとか、オスカー様の本性を知ってることとか?

 本性と言えば、オスカー様はまだ王子様の仮面を被っていますね

 本性を出すと一人称が私から俺になるもの


「クリス、また考え事?

 あぁ、それとも私に隠し事を伝えるべきか悩んでいるのかな?」


 いえ、言うつもりはありません

 なので……


「なんのことでしょうか

 私に隠し事などありませんわ」


 シラを切ります!


「そっかぁ」


 あれ、地雷踏んだ?

 なんか、黒い…


「優しくしてあげようと思ったけどやーめた」


 えがお!

 笑顔が怖い!

 王子様のするニコニコした上品な笑顔じゃなくて、悪役とかがするニヤって感じの笑い

 なにか悪いことを考えている時の笑いですよね、それ!


「そういえば、なんで君が婚約破棄したがってたのか教えてよ」


 急になんですか

 ユリウス様に聞いていないのですか


「私が王妃には向いてないと思ったからですよ」

「うそ」


 即答ですか!?


「今まであんなにも王妃の席にしか興味を持っていなかったのにそんな言い訳が通じるとでも?」


 ……そうですね、はい

 思い返せば記憶を取り戻す前の私はそれが欲しくてオスカー様と婚約したのでしたね

 いや、でもさ、言えるわけないじゃない

 あなたと結婚するのが嫌だなんて本人を前に!


「俺と結婚したくなかったの?

 それとも、急に性格などが変わったことも関係している?」


 心読まれた!?


「あ、図星なんだ」

「そ、そんなわけないじゃないですか」


 うっわー

 声震えてるわ


「かわいいね

 驚いたの?

 それとも、怯えているの?

 もしかして両方?

 こんなにも、声も、体も震わせて」


 やっばい

 ドSスイッチ入ってる


「ごめんね

 俺は君を逃がすつもりはないから」


 ……いつの間にか気に入られてるのですけど!?




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