砂漠のオアシス
陸路編 海路編 合流します
◆海路、陸路は流れが一本化します
【砂漠の窓口の港町パールカノン】
【港 マリア・アズーラ号が停泊している艀】
ベルタはドレスではなく、黒のレザーでもない、白いだぼだぼの衣装にカフェイ(遊牧民風のスカーフ)を巻いている。
グレイス:「あら、あなたも行ってくれるの?」
グレイスは風の民の特徴ある幾何学模様の派手なポンチョ姿
ベルタ:「私に着いてきて欲しくて、わざわざ来たんでしょ姉さん。船のお留守番お願いね」
おかっぱ頭にカフェイが良く似合うサーラ。
ヒューマとサーラに、ゴーグルを手渡すベルタ。
ヒューマ:「なにこれ」
サーラ:「メガネみたいだけど」
手渡されたゴーグルをいろいろな角度から見る
ベルタ:「ゴーグルというの。砂から目を守るの。結構、つらいわよ、砂だらけで。これをしないとあっという間に目がやられてしまうわ」
サーラ:「ふーん。すごく軽いし、細かい細工?ものすごいガラスが薄いわ。何でできているのかしら?」
ゴーグルをかけるサーラ
サーラ:「どう、似合ってる?」
ヒューマ:「なんかおもしろい」
ゴーグルをかけるヒューマ
ヒューマ:「ほんとうだ、軽い」
ベルタ:「プラスチックというものよ」
ヒューマの着替えの世話を焼くベルタ
サーラ:「プラスチック?」
ベルタ:「プラスチックというもの。これも動力船と同じで火の力がたくさん使われているのさ」
ヒューマ:「誰が作っているんだい?」
ベルタ:「砂漠の国の人々と、火の民」
ジェス:「よーし準備はできたか?」
ジェス、ベルタ、ヒューマ、サーラに、荷物用のラクダが二頭。
ジェス:「では、サンドピークに向けて出発!」
【砂漠のオアシス】
人もラクダも水分補給に余念がない。
オアシスに、客足がない露店がある。
店の主人はほとんど目が見えない砂漠の民の老人
サーラ:「おじいさん、これ」
サーラは白濁した目の店の主人に、自分のゴーグルをあげようとする。
店の主人:「いいんだよお嬢さん。私の目はもう、そういうものは必要がないんだ。それよりお嬢さんのきれいな緑色の目が汚れないようにしておくれ」
サーラ:「見えるんですか?おじいさん?」
店の主人:「ああ見えるとも。神が与えてくださった心の目にはお嬢さんの姿が良く見えるよ」
サーラ:「神って?」
店の主人:「おや、お嬢さんはわたしらの民じゃないのか。わしらの神は全てを司り、全てを行うカナン神なんじゃ」
サーラ:「カナン神・・・」
店の主人:「そうじゃ。全知全能の神じゃ。カナン神は、この地を統べるためにわしら人間を作られた。そして、いつか約束の地へ誘ってくださる」
サーラ:「約束の地?」
店の主人:「神のお言葉によると、そこは全てがひとつの色で、全てが輝いている場所じゃ。だが、わしはこの地でうまれ、神の臣民として生きられるだけで幸せを感じている」
サーラ:「おじいさんは、約束の地へいきたくはないの?」
店の主人:「人は生まれ育った土地を離れちゃいかん。生まれ育った地の空気を感じて、生きていくのが一番じゃ。この土地のことを知らぬ人は、この乾いた土地に生きる私たちを哀れむが、この土地は、カナン神が与えてくれた土地は、私にとってはとても豊かだ」
老人の言葉を黙って聞いているサーラ
店の主人:「お嬢さんには難しかったかな?」
サーラ:「いいえ、少しはわかります」
店の主人:「お嬢さんからは大地の匂いがする。懐かしい、いい匂いじゃ」
老人と少女の会話を静かに見ていたベルタ
ベルタ:「さ、そろそろ行くわよ」
読了ありがとうございました。
まだ続きます




