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最終戦線の老兵 ―JZ-65伝説―  作者: ちょいシン


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第六章・第二節 老兵、ロンドンからの招待状

ロサンゼルス滞在中のじいじのもとに届いたのは、

まさかの「ロンドン王立eスポーツ連盟」からの招待状!

“王室主催チャリティマッチ”の出場要請に、

TACTも美羽も大慌て!?

じいじ、次の戦場は英国へ――!

 ――ロサンゼルス滞在三日目、昼下がり。

 ホテルのロビーは大会後の静けさを取り戻し、各国の選手たちが帰国準備を進めていた。


「じいじ、本当にCNNの取材、出てよかったね!」

「ふむ。あのアナウンサー嬢、盆栽を褒めてくれたのが嬉しかったのぉ」

「それ、メイン話題じゃないからね!?」翔がツッコむ。


 TACTがラップトップを閉じ、ため息をついた。

「ネットニュースのトップ、まだ“サムライ・グランパ”が載ってますよ。世界中がじいじ一色です」

「ふむ……この歳で“世界進出”とはな。人生、どこで何が起きるかわからん」


 そこへ――コンシェルジュが一通の封筒を手にやって来た。

「ミスター・JZ-65、あなた宛に国際便が届いております」

「国際便……ここアメリカで?」TACTが首をかしげる。

「差出人は……“The Royal Esports Federation”?」


「ろいやる……なんじゃ?」

「たぶん、“英国王立eスポーツ連盟”とかそんな感じです」翔が翻訳アプリを覗き込みながら言う。

「そんなのあるの!?」美羽が目を丸くした。


 重蔵が封を切ると、金色のインクで書かれた美しい手紙が現れた。


Dear JZ-65,


Your performance at the “World Zombie Panic Final Battle”

has inspired players across the globe.

We hereby invite you to the Royal Charity Match in London,

an exhibition game hosted under the patronage of Her Majesty’s Esports Council.


We would be honoured by your presence.


— Sir William Ashcroft

Chairman, Royal Esports Federation


「ロイヤル・チャリティ……?」TACTが翻訳しながら声を漏らす。

「つまり、“王室主催の慈善試合”にご招待ってことです!」

「おおっ、じいじ、王室デビュー!?」美羽が叫ぶ。

「むぅ……王と名のつく戦とは、避けて通れぬ」

「戦じゃない! イベントだよ!」翔が慌てて突っ込む。


「おいTACTくん、“Her Majesty”というのは……まさか!」

「ええ、たぶん英国王室の方が関わってますね」

「……つまり、女王陛下とゲームをするのか?」

「いや、たぶん観覧されるだけ……」

「いやいや、もしかして“陛下VSじいじ”あるかも!」美羽がわくわく顔。

「それはあかん、国家問題になる!」TACTが全力で否定した。


 翔がスマホで検索して顔を上げる。

「じいじ、このチャリティマッチ、各国代表が出るみたい。

 “サムライ・グランパ”も正式招待選手のひとり!」

「おお……ワシのような老兵が、また呼ばれるとはな」

「じいじ……すごいよ!」美羽が手を握る。


 重蔵は静かに笑った。

「戦場がどこであれ、人を笑顔にできるなら、それでよい。

 わしの務めは、ただ楽しむことじゃ」


 窓の外では、夕陽がロサンゼルスの街を黄金に染めていた。

 遠く離れたロンドンへ――新たな風が吹き始めている。


 夜。

 TACTが航空チケットを手に戻ってきた。

「準備完了です。明日の夜便でロンドンへ」

「早っ!」翔と美羽が声を揃える。

「旅は勢いじゃ」重蔵がにやりと笑った。

「再び出陣――“王都遠征”と洒落こもうではないか!」

「いや、観光だからね!?」


 ――老兵、再び海を越える。

 “笑いと絆”の次なる戦場は、霧の都ロンドンへ――。

「戦とは、楽しみを分かち合うもの」

じいじの言葉が、海を越えて届く。

次回――霧の都ロンドンで新たな試練。

老兵、英国紳士ゲーマーと正面対決!?

“王の間で撃ち合う”笑撃のステージ開幕!

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