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東海道五十三次美人OLスキー旅ミケタマ珍道中  作者: 村上しのぶ


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エピローグ

「ぼ、坊っちゃーん!ご無事ですかー!?」

 歌井鱒之助は、小さい方の金のシャチホコの背中から、主人に呼びかけた。

 周りは見渡す限りの大海原が広がっている。


 多羅尾ユラの術にかかった金のシャチホコ二匹は、現在、黄河流域に向かって洋上の航海を続けていた。

「坊っちゃん、早くシャチホコたちを説得して、日本に戻らねばなりません」

「爺よ、慌てるでない」

 弥次喜多一茶は落ち着き払った声で、巨大化した金のシャチホコの背から答えた。


「と、言いますと?」

「僕は考えたのだ。シャチホコたちが故郷に帰るというのなら、それもよかろう。いっそのこと、黄河を全て凍らせて、中国に新しいスケートパークを作るのも面白いのではないかとな」


「おおっ、そのようなこと、この爺は考えもつきませんでしたぞ」

「うむ、シルクロードをゲレンデにして、世界最長のスキーリゾートを作るのも悪くはないな」

「さすがは坊っちゃん。スケールがでかい!」

「フハハハハハハ!」

 一茶は高笑いした。


 琵琶湖から連れてきたブラックバスやブルーギルなどの外来魚が、金のシャチホコの周りで飛び跳ねた。

 どうしてそれらが海を泳げるのだろう、というのは愚問である。


「しかし」と鱒之助。

「何だ?」

「ミケタマはどうなさいます?」

「女はミケタマだけではない。楊貴妃の末裔でも嫁にしてやろうではないか」

「おおっ、これまた大それた野望を!天罰でも下らなければ良いのですが……」


「お、おわーっ!?」と、突然一茶は叫び声を上げて、海中に没した。

「坊っちゃーん!?」

 ザバアッと、金のシャチホコは再び海面に上がってきた。

 その口に大量の魚を加えて。


 一茶は頭からずぶ濡れである。

「ハア、ハア、死ぬかと思った……!」

(やっぱり、天罰か……)

 と、鱒之助は思うのであった。


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