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妖の追凶〜time of hell〜  作者: 羽波紫希
守護国覇王戦・冷気の怪物編
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83.十二式神の守護人・天城

エリザベスこと麗羅(れいら)千暁(ちあき)と守護国覇王戦の契約をしたあとの三年後。


(誰もいないな…)


女に化けていた青蘭は守護国・森の国を訪れていた。森の国の駅で降りたのは青蘭くらいだ。


(森の国って空気は綺麗で俺はいいと思うけど、人気はないな…)


青蘭にとって森の国は緑が広がって綺麗だと感じている。芝生の上をずっと歩いていると、十二式神の銅像が見えた。


(あの人はたしか…)


そこにいたのは緑髪の襟足の長い段々髪をしている妖怪がいた。真っ黒な袴を着ていた。青蘭は何となくその妖怪に話しかけることにした。


「銅像を見て何をしているのですか?」


女に化けていたためなのかその妖怪は青蘭のことを見ていた。


「十二式神の墓を見ていた。俺は十二式神の守護人。ちなみに名は天城(あまぎ)だ。本名は山城法師(やましろほうし)

「十二式神?」


青蘭は記憶喪失をしているせいか十二式神について何も知らないようだ。


「君は何も知らないようだな。仕方ない、話すか」


天城は青蘭に十二式神について話す


「十二式神。簡単にいうと十二ヶ月の式神とも呼ばれる。時計回りから睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走と丸く並んでる。俺もかつては人間の僧侶だったから知っていた」

「確かに丸く並んでます。まるで時計みたいですね」


青蘭は頷きながら思ったことを口に出した。


「そうだな。時計か、時計は見たことがないな」


そうだなと返したあと、天城は独り言で何かを呟いた。すると、天城は女に化けている青蘭に名前を聞くことを思い出した。


「ねえ、そういえば君の名は何と言うのか」

「私ですか?私は雪乃ですよ。あ、間違えました。本名は、青蘭です」


青蘭という名前を聞いた瞬間、天城は目を見開いた。


「おい、今青蘭と名乗ったか?」

「はい、そうですけど」


天城は怒りがこみ上がりそうになっていた。


「そうか。じゃあ聞くけど、守護国覇王戦の規則が変わったの知ってるか」


その事を聞いたとき、青蘭は首を振りながら「いや」と言った。


「全然知らん。そもそも俺はそんな戦には出てないから全然わからん」

「分かんなくはないだろ、六年前にお前も出てた」

「全然出てない。そもそも興味ない」


天城は青蘭が何だかの理由で記憶が失っていると感づいた。


「そっか、じゃあお前は守護国覇王戦には関わらなくてもいい。だがその代わり、次の推薦者を最低一人は集めてこい」


天城が青蘭にそう命令した。言い方「」に愛想がなかった。ただ口調が悪いだけだ。


「それって、誰でもいいのか。死者でも妖怪でも」

「最近は、妖の力を持っている人間が存在した。だから協議会では死者でもいいと許可した」

「へぇ~。じゃあ、俺は死者を推薦するわ」

「実は俺もだ」


すると、青蘭は「え?」という驚きを交わした。


「天城さんもですか?」

「そうだ。ちなみに神坂桜雅(みさかおうが)という死者だ。黄泉の国へ行く前は世界中を旅をしていた。彼は神の声が聞こえる。それだけでなく、銃を30発以上打たれたって死なない」

「そんなにすごい人何ですね。神坂さんは」


青蘭は何となく頷いた。すると、天城が青蘭のことを見てきた。


「それより、君の方こそ次の推薦者は決めてきたのか」

「あ…まだ決まっていません」


戸惑っていた青蘭を見た天城は何もかも忘れていると直感で分かった。


「妖の力を持っている人間にするのか。それとも実力のある妖怪にするのか、それくらいは決めておくといい」

「本当にそうですね」


青蘭は愛想笑いをしながら呟くように返した。どこか浮かない顔をしていた。


「別に今は焦ることではない。春の暖かい時期になったら協議会の会場へ来い。ただし、清楚な格好でだ。場所は死者たちの住む朝国だ」

「はい、分かりました」


すると、天城はまだ言い忘れていたことを思い出す。


「言い忘れてたけど、女の格好ではなく素の姿で来い。これは絶対だ」


天城は無愛想で厳しい指導員のような言い方で伝えた。


「……」


青蘭は返事を言わず、そのまま黙り込んでいた。


「どうした、無理な理由でもあるのか」

「俺は指名手配犯でもありますので素顔を出すのに見つかる可能性が高くなります」

「指名手配…」


独り言のように呟いていた天城を見て青蘭は見破られると思ってしまう。それどころか地獄に連れていかれる不安も感じる。


「一つ言っておくが、指名手配犯になってるお前は必ず見つかる可能性が高い。そうすると刑期も長くなる。だから、素顔で行け」

「天城さんがそう言うなら仕方ありませんね」


青蘭も諦めた。素顔で行くことににした。白髪の妖狐の姿だ。すると、天城は青蘭の目をじっと見つめてきた。


「ずいぶんと変わったな」


一瞬だけ聞こえた。幻聴なのか。それとも本当に言っていたのか。青蘭の顔を見て何が変わっていたのかもその妖怪自身は分かっていない。


「ずいぶんと性格、変わってるな」

「え?」


性格と聞いたとたん、何のことを言っているのかさっぱり分からなくなった。


「以前、守護国覇王戦の協議会の会場へ来た時お前の態度がとてつもなく悪かった。俺たちのことを見下しているような感じだったが、今は記憶を失っているからか誠実な人になっているけど」


そのことに青蘭は記憶がないにもかかわらず態度が悪かったことに見覚えがない。


「すみません、態度が悪かったことに記憶がありませんでした。もし、そのような態度をお見せしてしまったときは謝ります。大変申し訳ございませんでした」


すると、天城は呆気にとられた。そのせいか溜め息を付く。


「そんなことはもういい。それより、お前の方は推薦者を誰か最低でも一人選んだのか。死者でも妖怪でも」

「もちろん選びました。俺の死者の友達です」

「その死者の名前は?」

「鳥山海斗という人間の死者です。その人は妖の力を持っています」

「そうか」


関心がなさそうな言い方でその一言を返した。すると、天城は話を変え始めた。


「青蘭、」

「何でしょうか?」

「守護国覇王のときの君のことを話す。お前はなにも覚えてなさそうだから」

「では、お言葉に甘えて」


天城は守護国覇王戦のときの青蘭、他の選手について語り始める。

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