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一件落着

 私たち四姉妹と翔太兄さまの五人がリビングで対峙した。


「黒島さんの嘘だったなんて、でもなんで?」

 翔太兄さまが口を開いた。


「黒島はね、どんな手段を使っても、お世継ぎさえできればそれでいい、そう思ってるんだよ」

 怒りもあらわに、星姫が吐き捨てた。

「そうすれば、翔太がプロポーズするだろうから結婚話が進むはず。避妊もしないだろうから本当に妊娠するかもって、そういう算段だったんだよ」


 初めて目の当たりにした男女の営みに、それも兄さまと雅姉さまがあられもなく絡む姿に少なからず動揺した私だが、気を取り直して、努めて冷静に告げた。

「兄さま、状況は理解してくれたよね。兄さまのプロポーズは雅姉さまの妊娠が前提でしょ。なかったことにしてくれるよね」


「ちょっと待ってよ」

 いいところを邪魔された雅姫が明らかに不機嫌な態度で口を挟んだ。


「黒島の話は嘘だったとして、私が妊娠しているかどうかはまだわからないじゃない。その結論が出たらまた話し合いましょう。だから今日のところはもう帰って」


 私たちを追い返して、きっと翔太兄さまと続きをするつもりなんだ。


 この雅姫の言葉に星姫が逆上した。

「雅姉さま、ずるいよ、ひどいよ、寝てる間にレイプなんて、こんなやり方で、翔太と姉さまが付き合うこと自体が無効だよ」


 すかさず、雅姫が言い返す。

「そんなつもりなかったのにそうなっちゃったんだよ。仕方ないじゃない。そっちこそ、抜け駆けしてハニートラップを仕掛けたのはずるくないっていうの?」


 二人の言い争いがヒートアップしかかったところで、

「ぱああん」

 小気味の良い音が部屋に響いた。

 菫姫が思いっきり翔太の頬を張ったのだ。


「翔太さまの浮気者っ!」

 

 皆がしんとした。

 翔太だけがおろおろしながら「ごめんね、ごめんね」と泣きべそをかく菫姫に謝り続けている。

 

 ともあれ菫姫のおかげでようやく話し合う雰囲気が出来上がった。


 ここから先は、姉妹の中で唯一翔太兄さまを巡るライバル関係にない私が議長役を務めることにした。


「雅姉さまは本当に翔太兄さまが好きなの? もう圭介さんはいいの?」

「うん、今は翔太くんが好き、もし子どもができていたら、絶対産もうと思っている」


「星姉さまは。今までみたく、身体目当てとか、遊びじゃないの?」

「彼にはセフレと言ってるけど、本音は違う。今はそれだけの関係かもしれないけど、ちゃんと付き合って、恋人同士になりたい」


「菫姫は」

「私は翔太さまと相思相愛の婚約者です!」


「あれ?」

 その時、雅姫がお腹を押さえてトイレへ駆け込んだ。

「生理、きちゃった」


 これで全てが振出しに戻った。


「これってさ、今、話し合っても結論が出ないやつじゃない。何も今決着を付けなくとも、結論は先送りにしませんか?」

 私はそう提案した。


「将来的にはともかく、とりあえず、今は翔太と現状維持の関係を続けられれば、それで異存はないかな」と星姫。


「私も、これからも翔太くんと会うことを認めてもらえるのなら」と雅姫。


「よその女に寝取られるくらいなら、姉さまたちにお相手をしてもらった方がいいかもです。でも、私が16歳になるまでですよ」と菫姫。



「お互い、翔太くんのことが好きなもの同士、仲良くするしかないんじゃない? 当面は、姉妹三人で仲良く、ね」

 私のことばに三人が頷き、休戦協定が締結された。


「ねえ、この職員寮、部屋が空いているようだし、私たち、こっちに引っ越して来ない? そうすれば、お互い、抜け駆けとかなしで、効率的に彼をシェアできるでしょ」と星姫。


「「賛成」」

 

 かくして、この職員寮が、翔太兄さまのハーレムと化すことになったのだった。


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