chapter876 ピンチのオノヅカ
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そして、オノヅカとセナヤマの戦いは……
「おいおい! どうしたどうした!」
「……」
セナヤマの【セブンリーグブーツ】の一撃をどうにか避けるオノヅカ。
だが、完全に避けられず、服が少し破ける。
このような被弾が続いており、服はあちらこちらが破けていた。
こちらもやはりと言うべきか、セナヤマが有利になっていた。
二つのクロス――〔カマドウマ〕・〔ライオン〕と冥刀の組み合わせが猛威を振るう。
しかも彼の場合、素の戦闘力も高いからこそ質が悪い。
それに対し、オノヅカはクロス一つ――〔モンハナシャコ〕のみ。
冥刀を持っておらず、二つ目のクロスもない。
もう一つ手札はあるが、今はまだ使えない。
(どうするか……)
思考していく。
(こちらの攻撃は避けられる、もしくはあの靴で防がれる)
この戦いでオノヅカは何度かカウンターを叩き込んでいるのだが、一度も当たっていない。
「リーチの差……だな」
あの靴は槍のような物。
距離を保ち、一方的に攻撃可能。
至近距離……殴れる距離ならこちらのターンになるが……
(本当に厄介だな……。あの冥刀)
それが出来なかった。
その理由は【セブンリーグブーツ】にあった。
ソレのチカラは――転移。
ただしそこまで長距離転移が出来る訳ではなく、原典の如く七歩が距離限界。
なのだが、それが戦闘では厄介。
近づいたと思っても、あっという間に引き離される。
その上、転移能力はコスパが悪いのが常なのだが、この冥刀は短距離転移限定なため、何度も可能。
「どうするか……」
呟いたオノヅカ。
そこへセナヤマの一撃。
どうにか避けるが……
「チッ!?」
「腕貰い!」
避けきれず腕が吹っ飛ぶ。
どうやら向こうはこちらのペースを掴み始めている。
(……このままだと不味いな)
千切れた腕に力を集中させる。
その途端、新しい腕が生えてくる。
★☆★☆★
生物系のクロスはその生物の特性のチカラが使える。
普通の人間ならば、手足が無くなったら生えてこないが、新しい手足が生えて来る生物は幾つかいる。
そして、海老や蟹……甲殻類は手足が千切れても生えて来る。
蝦蛄も該当する。
しかも、そこはクロス。普通の生物ならば時間がかかるところを、一瞬で生やす事が可能。
……ただし、結構疲れるので、何度も出来る手ではない。




