chapter729 話の始まり
クインの言葉に女性は思い至ったような顔をする。
「ゴミ溜めは良い表現ね。僕もこれから使う事にする」
「ん。ん?」
「……? ああ質問の答えか。そうだよ」
その答えに納得したような表情になるクイン。
一方、二人の会話の意味がわからないのが、レイリ。
「ええっと……、どういう事ですか?」
「……」
クインはどう答えるか迷う中、女性は口を開く。
「僕は別次元出身なんだ」
「!」
「信じられないかもしれないけど」
そう付け加える女性。
それにレイリが思い出したのは、イヌコとのある会話。
『サクヅキ=オウカはある時、突然強くなったの』
『突然?』
『何かしらの能力・術技・武器を手に入れたのもそうだけど』
一拍置いて続ける。
『経験が段違いになっているの。まるで数日を数年、いえ数十年にしたかのように』
そんな事を言っていた。
(そっか。だから先輩は強くなれたんだ……)
それに色々納得出来たレイリ。
だからこそ、こう続ける。
「いえ、信じます」
「そう?」
「そこに先輩も行ってたんですよね?」
「うん」
頷いてから、女性は大切な思い出を語る様に続ける。
「そこで彼……いや、僕の親友は、僕を救済してくれたんだ」
その言葉にクインは疑問を投げかける。
「ん?」
「……と。何?」
「死んだはずなのに、どうして生きてる?」
「それは僕もよくわかっていないんだよね……」
女性は話そうとしたが、何かを思い出したかのように、手をポンと叩く。
「あ、忘れていた」
「「?」」
「僕の名前はユウナ。宜しくね」
遅ればせながら自己紹介をして、女性――ユウナはここに居る経緯を始めた。
▼▽▼
ユウナはオウカに殺され、地獄にでも行くのかと思ったが、気づけば魔法陣の上に居て、周りを白衣を来た人達や、柄の悪そうな男達に囲まれていたとの事。
「白衣の人達は[実験は成功だ!]とか言っていたね」
特殊な召喚魔法を使い、この体に何かしらの魂を呼び込もうとしていたらしい。
「周りを見て、会話を話を聞く限り、研究所みたいだった」
透明な円筒状の容器が幾つもあって、その中に人が一杯居たそうだ。
「クインちゃん、それって……」
「ん」
恐らくクローンか、ホムンクルスを作っていた所なのだろう、とレイリとクインは推測する。
因みに、どちらも違法である。
前者は論外、後者は許可を取らなければならない。
【コソコソ話】
(・▽・)<やっぱりあるんですね。特に後者。
(㈩*㈩)<前者はこっちにもあったよね?
(・▽・)<……まあ。でも使う人なんていませんでしたけど。
(㈩*㈩)<それは確かに。
(#ー#)<どういう事だ?
(・▽・)<ほら、クローンは作るのにそれ相応の施設とか、設備が必要でしょう?
(#ー#)<そうだろうな。
(・▽・)<そういう所には金目の物とかありますよね。
(#ー#)<だろうn……あ!
(・▽・)<そういう事です。使っても襲撃されてパーです。
(#ー#)<……本当に末期だな。
(・▽・)(㈩*㈩)<何を今更。
(#ー#)<あ、そうそうホムンクルスについては追々やる。
(#ー#)<取り敢えず今は許可があって、適切に運用すればOKとだけ。
(・▽・)<違法にやってそうな所ありそうですね。
(㈩*㈩)<でも素人が手を出せなそうだから、そこまで多くないんじゃない?
(#ー#)<まあな。




