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冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
漆ノ章 ~PROJECT XX~

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chapter727 暴走する食欲

「クインちゃん。帰ってなかったんだ……」

「ん」


 レイリの言葉に、クインは手に持ったエコバッグを見せる。

 中には、買ったらしい食材や弁当が入っている。


(ほぼ一人暮らしだから自炊してるよね)


 納得したレイリ。

 そんな彼女にクインはここに居る理由を聞く。


「ん?」

「ああ。実はかくしかじかで……」


 この女性が、サクの知り合いであり、込み入った事情があるらしい、と話すとクインは女性を見た。


「確かにサクの知り合いっぽい」

「いやあ照れるね~」

(変人って意味だけど)


 失礼なクイン。

 因みに自分も含めている。


 そして、クインはレイリを見て訊ねる。


「でも、それだったらサクの所に行った方が良かったんじゃない?」

「それも考えたんだけど……」


 そう言って女性を見てから、ひそひそと話す。


「この人をオウカ先輩が殺したんだって」

「ん?」


 チラリと女性を見て続ける。


「生きてる」

「そう見えるよね。」

「足付いている」

「うん。だから急に会わせるのは……」

「……ん」


 そういうレイリに、クインはここに連れて来た理由に納得した。

 なので。


「ん」


 指紋と静脈認証で扉を開き、二人を迎え入れた。



 ………………

 …………

 ……



 そして二人を客間に座らせ、お茶とお菓子を用意しようとする。


「んん?」


 何があったかな、と戸棚を探る中、見つけたのはポテトチップス。

 海苔塩、バター、コンソメの三つ。


「ん」


 全部出す事にする。

 そして、飲み物をどうするかと冷蔵庫を見る。


「ん」


 しょっぱい物を食べるのだから、甘い物を飲みたい。

 なので、ミックスジュースを用意する。

 入れていこうかと思ったが、


「んん」


 とは言え、もっと飲みたい人もいるかもと、パックごと持って行く事にする。


 そして。


「ん」


 盆にポテトチップスの袋三つと、ミックスジュースとコップ三つを乗せて、客間に入る。


 そんな彼女の視線は盆の上に釘付けだった。

 そして、卓にそれが乗ると同時、女性が動く!


「「!?」」


 レイリとクインが我に返った時には、ポテトチップスの袋は三つ共空っぽ、ミックスジュースも無くなっていた。コップは汚れていないので、恐らくパックのまま一気飲みしたのだろう。

 そして、女性は満足したように吐息を漏らす。


「ふう……。落ち着いた」


 それに二人は驚きながらも、


「ん、ん~」

「よ、余程お腹空いていたんですね」


 こうコメントした。

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