chapter726 向かう場所
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何か今凄い事を聞いた気がする。
なのでもう一度聞いてみる。
「あの……」
「ん?」
「今聞き間違えじゃなきゃ、殺して貰ったって言いましたよね?」
「言ったね」
聞き間違えではないらしい。
だが、どう見てもこの人は生きている。
「今……生きていますよね?」
大転換以降、大っぴらに幽霊とかも確認されるようになった。
だから、この女性も霊体かと思ったのだが、明らかに違う。
(普通に実体を持っているよね?)
レイリはオーラ使いなので、相手の気を感じ取るのは得意。
だからこそわかった。
そんな疑問に女性は肩を竦め返事をする。
「まあね。別に話しても良いけど」
そう言ってから周りをキョロキョロと見渡し、
「ちょっと込み入った事情になるから、どこかに良い場所ない?」
僕はここの地理に詳しくないから、と言うのでレイリは考える。
(喫茶店とか、チェーン店、ファーストフード店はどこに耳があるかわからない)
中にはプライバシーが守れる所もあるにはあるが、ここの近くにない。
(わたしの家は駄目だよね)
実はレイリは家族と暮らしている。
自分の部屋はあるが、親が入って来る可能性がある。
(ワンコちゃんの家も同じ理由で駄目)
イヌコの所も同じ理由で除外。
と言うか出来るならこの近くが良いから、駄目。
(オウカ先輩の家は……知らない)
実はレイリ、まだオウカの家に行った事がなく、知らない。
(クインちゃんは行った事あるって行ってたな)
学校の近くに住んでいるらしいが、それ以外知らない。
(近くで、プライバシーが守れて、人が聞き耳立てていない場所……)
暫く考えているとその時だった。
「あ」
良い場所を思いついた。
「良い所、あったの?」
「はい! 行きましょう!」
「わかった。それでどこなの?」
女性の問いかけにレイリは答えた。
「友達の家です!」
……
…………
……………
そういう訳でやって来たのは普通の一軒家。
「ここにその友達がいるの?」
「はい。親の友達と暮らしているらしいですけど……」
家を空けているらしく、ほぼ一人暮らしと言っていた。
「多分いるよね?」
そう言ってチャイムを鳴らそうとした時だった。
「ん。レイリ?」
後ろから声が聞こえた。
それに振り向くと、そこには一人の少女がいた。
ヘッドホンがトレードマークで、短めの髪をしている。
「へえ」
その少女を見た女性が感心したような声を出した。




