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冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
漆ノ章 ~PROJECT XX~

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726/842

chapter726 向かう場所

 ■□■□



 何か今凄い事を聞いた気がする。

 なのでもう一度聞いてみる。


「あの……」

「ん?」

「今聞き間違えじゃなきゃ、殺して貰ったって言いましたよね?」

「言ったね」


 聞き間違えではないらしい。

 だが、どう見てもこの人は生きている。


「今……生きていますよね?」


 大転換以降、大っぴらに幽霊とかも確認されるようになった。

 だから、この女性も霊体かと思ったのだが、明らかに違う。


(普通に実体を持っているよね?)


 レイリはオーラ使いなので、相手の気を感じ取るのは得意。

 だからこそわかった。


 そんな疑問に女性は肩を竦め返事をする。


「まあね。別に話しても良いけど」


 そう言ってから周りをキョロキョロと見渡し、


「ちょっと込み入った事情になるから、どこかに良い場所ない?」


 僕はここの地理に詳しくないから、と言うのでレイリは考える。


(喫茶店とか、チェーン店、ファーストフード店はどこに耳があるかわからない)


 中にはプライバシーが守れる所もあるにはあるが、ここの近くにない。


(わたしの家は駄目だよね)


 実はレイリは家族と暮らしている。

 自分の部屋はあるが、親が入って来る可能性がある。


(ワンコちゃんの家も同じ理由で駄目)


 イヌコの所も同じ理由で除外。

 と言うか出来るならこの近くが良いから、駄目。


(オウカ先輩の家は……知らない)


 実はレイリ、まだオウカの家に行った事がなく、知らない。


(クインちゃんは行った事あるって行ってたな)


 学校の近くに住んでいるらしいが、それ以外知らない。


(近くで、プライバシーが守れて、人が聞き耳立てていない場所……)


 暫く考えているとその時だった。


「あ」


 良い場所を思いついた。


「良い所、あったの?」

「はい! 行きましょう!」

「わかった。それでどこなの?」


 女性の問いかけにレイリは答えた。


「友達の家です!」



 ……

 …………

 ……………



 そういう訳でやって来たのは普通の一軒家。


「ここにその友達がいるの?」

「はい。親の友達と暮らしているらしいですけど……」


 家を空けているらしく、ほぼ一人暮らしと言っていた。


「多分いるよね?」


 そう言ってチャイムを鳴らそうとした時だった。


「ん。レイリ?」


 後ろから声が聞こえた。

 それに振り向くと、そこには一人の少女がいた。

 ヘッドホンがトレードマークで、短めの髪をしている。


「へえ」


 その少女を見た女性が感心したような声を出した。

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