chapter725 完璧勇者
「サク、拷問も終わりましたし、一杯やりませんか?」
「宅飲みですけど、良い酒とおつまみが手に入ったので」
「ではどうぞ。……良い飲みっぷりですね。サクは酒が強くてありがたいです」
「ディアンも、ヴィーも酒が弱いので、飲みに誘っても来てくれないんですよね」
「来たとしても、ディアンは急患があるかもしれないって、」
「ジュースやお茶しか飲まないですし、ヴィーは缶ビール半分でトマト色」
「なのでつまらないんですよね。アルハラはしたくないですから」
「え? した奴を水攻めした? アハハ確かにそうですね」
「それはともかく、何か話をしましょうか。何か話題あります?」
「勇者についてですか? そういえばサクは異世界出身だから知りませんでしたね」
「良い機会だから話しましょう」
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「昔の話です。叢雅一門が死んで数十年後。世界は乱れていました」
「好き勝手に振舞う人達のせいで。治安は最悪、まさに弱肉強食」
「毎日誰かしら死んでいく日々」
「そんな日々をどうにかしようと立ち上がったのが一人の女の子」
「まだ七歳にもならない女の子。暮らしていた村を定期的に襲ってくる盗賊団を」
「倒してくると言って、剣を片手に出掛けたそうです」
「普通だったらその少女は、あっけなく死んだでしょう」
「でも、その少女がいなくなってから、襲撃がぱったり止んだそうです」
「まさかと思い、村人達が見に行くと、そこには盗賊団の骸があったそうです」
「そこから快進撃は始まりました。」
「人を、団体を、国すらも相手取っても勇者は勝ちました」
「弱気を助けて、強きを挫く。正に物語から出て来た英雄」
「仲間も出来て、順風満帆な快進撃。正に常勝」
「持っていたチカラも勝利を約束するもの。人々は絶望の中で希望を見出しました」
「でも、終わりが来たんですよ。あまりにも完璧で余りのも凄すぎた」
「だからこそ、妬まれ、恨まれ、死を懇願された」
「あるカルト教団が、勇者の仲間すら引き込んで、死に追いやったんです」
「そうして仲間に裏切られ、罪を着せられ、公開処刑と相成ったそうです」
「しかも酷い事に、彼女の家族や村の住人すら、連座で殺したそうです」
「そうして、彼女はこの世を恨みながら死んだそうです」
「しかも……、あくまで噂なんですけど」
「その魂と死体はその教団に使役されているそうですよ?」
「……せっかくの酒が不味くなりました」
「謝らないでください。話したのは私なので」
【後書】
(#ー#)<……。
(㈩*㈩)<……。
(#ー#)(㈩*㈩)<……。
(・▽・)<何ですか?
(#ー#)<何かお前よく出ているな。
(㈩*㈩)<ちょっと出すぎじゃない?
(・▽・)<そういう事もありますよ♪
(・▽・)<それに……サクがああなったのは私も何割か占めてますからね。




