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どうも、木⋯⋯の妖精です。  作者: 夏巻き
御座すはエリアの頂点巨大亀
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助太刀、プレイヤー VS エリアボス。part.3《ヴェステル》

亀の甲羅の上に移動し手をかざす。


「〈腐血樹粉(くされぢじゅふん)〉っ」


手から出た黒い粉は、宙を舞い亀の甲羅に触れる。少し高い位置からスキルを使用したので、広範囲に広がった。


「効果は⋯⋯まあまあ?」


粉が触れた箇所を見れば、これまでのように確かに下へと腐りその部分を削っているように見える。だがこの巨体だ。あまり効いているようには見えない。

鑑定してみても、微々たる減り。相手のレベルが高いと効きづらいのだろうか。

このまま続けて2発目といきたい所だが、そうしてしまうと残りのMP(体力・魔力)が少なくなってしまう。一発かすっただけで即死になりかねない。なので別の攻撃手段を探す。


たけまるさんが敵を引き付けてくれているので、敵を翻弄するよりとにかく攻撃することを優先で考えればいい。

とはいえだ、そもそも私の持っている他の攻撃手段とは?ミストウォーターと念力、以上。

ミストウォーターは濡らすだけ。却下。

念力で亀の手足を引っ張るのも多分無理。重すぎてMPが一瞬ですっからかんになりそう。頭も引っ張ったら力負けする。

ならまずやれることはこれ。


まず石を見つけます。これを念力で持ち上げて、前足に当てます。どうでしょう鑑定さん。

うん、減っているか分かりませんね。

でもこれを地道に続けていれば、少しずつ減っていくんじゃない?継続ダメージみたいでいやらしいね。ふはは。


そもそも君はオスなのかメスなのか。

エリアボスと言う生物は、各エリアに2体ずついることが多い。例外はあるが。

そのエリアのボスなのになぜ2体なのか。それはそのモンスターに番がいるからである。言わば2体で1個のボス。ボスの番だからこそ、ボスと同じ権限を持つということ。

結果、そこのエリアの食物連鎖の頂点が2体存在することになるわけだ。同じ種族のオス個体とメス個体の2体が。


それぞれ別のエリアに繋がる道の付近に縄張りを持っているため、別のエリアに行くにはどちらかを倒さなければならない。番なのに、互いに別々の場所に縄張りを持っているため。

倒さなくてもすり抜けられるし、抜け道も多いので倒す倒さないは自由だけど、どちらを倒すのが楽かといえば、そのエリアの次の番号のエリアの付近にいる個体が楽と言える。

レベルもそっちの方が低く、大抵はメスの個体がいる。

オスとメスで攻撃手段が変わるやつもいるし、攻撃力も防御力も違ってくるしで、こいつがメス個体ならいくらかマシだと思うのだけど⋯。

鑑定をかけても、分かるのは名前とレベルだけ。性別なんて表示してくれない。現時点ではかもしれないけど。


「まだメス個体なら、何発か食らっても耐えられると思うんだよね」


レベル差が大きい状態で挑むオス個体とか、一撃で8割持っていかれたり即死の場合もありますからね。

さてさて、まだまだ投げますよ。

石を浮かせて、はい前足へ投げる。また浮かせて、はい投げる。どんどん投げます。⋯この場所随分石ありますね。

また浮かせて、はいなげ


「っ!ほあっ?!」


いきなり真下で爆発が起こり、黒煙が体を覆う。

巻き込まれはしなかったが、びっくりした。

なんだ?亀の攻撃か?黒煙から急いで抜け出し自分の体を確認。ダメージも何もない、状態異常の類でもない。

何をしたんだと亀を見るが、その亀は顔をサキドリ緑さんの方へ向けようとしている。


「だがそっちには攻撃させん!〈注目(アテンション)〉!」


サキドリ緑さんが何かしたっぽいな。それが確認できたのならそれでいい。続けて石を投げるだけだ。そう考えていた時、突然あれが頭の中に浮かんだ。


「そういえば入れっぱなしだったな」


甲羅もあり皮膚も頑丈な亀とはいえ、内側は柔らかかろう。口さえ開けば入れれる。が、顎の力がすごい亀の口を開くのは念力では無理だ。多分。そう、多分なのでやってみれば分かる。

ん?何かおかしい?いいや、おかしくないよ?やれば分かるさでおなじみの脳筋思考だよ。レッツトライ。


亀の正面たけまるさんの隣へ移動。亀にしてみれば、敵が目の前にもう1人現れた状態なのだが、目線はたけまるさんへ釘付け。こちらを一切見ない。


「ヴェステルさんもこっち来たの⋯っぉらっ!」


私に話しかけている途中で攻撃が来る。噛み付こうと首を伸ばした亀に、たけまるさんが盾を勢いよく当て弾く。

そのまま首を戻し、今度は短い前足を上げる。何やら爪が光っているような。攻撃か!


「避けてくださいっ!」


「斬撃がきますっ!」


後ろからの声が聞こえ始めたタイミングで空中へ離脱。それと同時に、たけまるさんを紫色の斬撃が襲う。


「そんなの当たらんっ。お返しだっ!」


それを上手く盾で防ぎ、右手に持っている剣で亀の首をひと撫で。余程いい業物なのか、それだけで皮膚がパックリ割れる。

そこへもう一撃。と行ければ良かったが、亀は甲羅へ閉じ籠る。だがこれはこれで、中の空いた隙間に爆弾とか詰め放題では?

私は持ってないからやれないが、サキドリ緑さんならやれるし多分やりそう。


しかしこれでは私の方の目的を果たせない。

しょうがないな、魔力が一瞬で持っていかれるリスクもあるが試してみるか。

退避していた場所からまたたけまるさんの隣、亀の正面へ。


「もう戦闘に復帰して大丈夫なのか?」


「大丈夫です!ありがとうございました!あっ、あと、亀がこの状態の時は全くダメージが入りませんでした!」


「助けてくださり、ありがとうございました!硬すぎて刃こぼれしますよ!気をつけてください!」


「亀だしそうだと思⋯いや、ありがとう助かる」


そこには回復して戦闘へ復帰したあのプレイヤー達の内2人の少年の姿。情報の共有をしているみたいだった。私も混ぜてくれよ。


「あとは何か情報はありますか?」


「あ、精霊さん?「妖精の、ヴェステルです」⋯すみません。ヴェステルさんもありがとうございました」


「ありがとうございました!あの亀はあと、噛み付き攻撃と口から紫のビーム吐いてきました」


「ビームだって?!なんだコイツ。メカ亀かよ」


「名前に魔の文字が入っているので、機械の方のビームではなく、魔法的なビームでは?」


「それ一緒じゃないですか?」


一緒じゃないと思いますけどね。

機械の方のビームは、高温の熱を扱う関係上冷却も必要になるし連発はできない。

魔法の方のビームは、魔力がある限り連発発射できてしまう。亀はこちらの方。

ただこれも、魔法陣的なものから出すのならばの話。体の内側で熱を高め、溜めて放つタイプなら機械と同じく冷却が必要になる。


「ビームを放つ時、魔法陣的なものは出ていました?」


「いえ、なかったと思います」


ふむ、ということは冷却が必要なわけですか。

〘盗賊ギルド〙

犯罪者の組織というわけではない。足の速さや体の軽さ等、身体能力に優れたもの達が集まるギルド。

加入条件:ギルドが指定した競技で職員と勝負し、3回中1回勝利すること。


〘薬師ギルド〙

薬を研究し作りだす、人の役に立ちたい等のことに喜びを覚える人達が入ることが多いギルド。

加入条件:指定された植物を採取して、指示通りに薬を作ること。

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