誰かのピンチ、来たる亀。
「2人共お疲れ様」
「たけまるさんもお疲れ様でした」
「お疲れ様。結構いい連携だったんじゃない?」
フルボッコでしたもんね。相手の攻撃を1回も受けずに倒せてしまった。
盾を使った突飛な行動には驚かされたけど、あれがあったから敵は怯んだし、サキドリ緑さんも隙をついて攻撃することができた。私の念力サポートだって、盾で押しまくって重心が傾いていたから効いたわけで⋯⋯
「さすがたけまるさんです」
「え?どうも?」
「何が間にあってのさすがだよ。たけまるもハテナ浮かんでるじゃん」
確かに間を抜いて話してしまいました。これじゃ伝わらない。
「すみません。盾で相手を怯ませてくださったおかげで、倒すのが楽だったのだなと」
「ああ、それでさすがってことですか」
「たけまる、野蛮なところはあるけど、武器の使い方が上手いからね」
「おい、野蛮とはなんだ野蛮とは。このゲームが認めた方法で倒してるだけだ」
サキドリ緑さんが肩を竦めている。
あの戦い方はやっぱり普通じゃないんだね。確かに盾で殴り続けるのは、え?って思ったし。
まあどんな方法を使ったとしても最終的に勝てればいいわけで、たけまるさんのプレイスタイルも正解といえば正解なのだろう。
私も念力で盾持って、殴り続けるとかできますかね。
「っと、早いとこ素材剥ぎ取らないと。時間経っちゃうよ」
「そうだな」「そうですね」
返事はしたものの、剥ぎ取りは2人に任せた。剥ぎ取り用のナイフを持ってるし、何より私よりも体が大きいので解体に時間がかからないから。
鱗一枚地面に残して後は全て解体という予定だったのだが、剥ぎ取り可能時間は3分と短い。なので、余裕を持って終了するために全部の剥ぎ取りは諦めた。
最終的に私が剥ぎ取りアイテムで貰ったのは鱗数枚と、魔法の鞄に入る大きさにカットしてもらった肉をいくつか。
この世界ではモンスターの肉を普通に食べるので、この蜥蜴の肉も食べれるのではと受け取った次第。料理するのが楽しみである。
剥ぎ取りアイテムを各自の入れ物に入れてアイテム化し終わったタイミングで、死体が消失。
皆それぞれの前にドロップアイテムが現れた。
「私は目玉と鱗でできたお守り?ですね」
「あたしのはどう見てもサングラス。いいなこれ。あ、サイズ合わねぇ」
「こっちは肉と鱗のグローブだ。グローブ持ってるからダブりだわ」
皆バラバラの報酬だ。ドロップアイテムの鱗でできたお守り。紐は普通、表面はザラザラ。
首から下げられるし、飛ぶ時に邪魔にならなくて良いもの。多分アクセサリーだけど、詳細を知るためにはい鑑定。
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【アクセサリーアイテム:毒蜥蜴守り】
★★☆☆☆
毒蜥蜴の鱗を使用して作られたお守り。
そこそこ頑丈なため、武器として振り回すことも可能。
VIT+5
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星2だけど、耐久力がそこそこ上がるアイテムだった。いいねいいね。
フレーバーテキストによると武器としても使えるらしいが、振り回したら紐が引きちぎれませんか?これそんな耐久力ある紐なの?
「サングラスとそのグローブ交換してくれない?サイズ合わなくてさ」
「いいよ。サングラスは持ってなかったんだ」
ウィンドウを閉じると、ちょうど2人がアイテムを交換しているところだった。
フレンド同士だと、ダブりとかいらないものとか話し合って気軽に交換できていいよね。蜥蜴退治が初めてだった私は、ダブりとかないのでそれが味わえないが。
自動調節機能付いてるアイテムとかレア度高いものばっかりだし、そんな簡単にでやしないよね。
報酬の諸々も終わり、また歩き始める。あの蜥蜴は集団行動をしないらしく、近くにモンスターの気配はない。
熊がいるという森まではあと少し。そんな所まで来た時だった。
「くそっ!硬すぎだろうが!」
「おにい!攻撃!避けてっ!」
「あっ⋯うぐぁっ⋯」
少し遠くからそんな、モンスターと戦っているような声が聞こえた。この先からだ。
進む先には目的地の森がある。つまりは森の付近で戦っている人達がいるということ。
3人で顔を合わせる。
「この先で誰か戦ってるよな。森に入るのにここを真っ直ぐ行かなきゃいけないとかはないし、邪魔にならないように避けて森に入るか?」
「あー、一応確認してから行かね?苦戦してるっぽい声だったし、知り合いだったら助けたい。その場合は巻き込むことになるからごめんだけど」
「私も戦闘を確認してから森に入りたいです。戦っているのが知ってるNPCだったら、苦戦しているのを黙って放置はちょっと」
「了解。じゃあ遠目から戦闘を見て、本当に助けがいりそうだったら助太刀しよう。その時は遠くから参戦許可取らないとな」
「助けに入ったのに通報されたらあれだもんな」
話はまとまり、結果近くまで行ってから判断することに。
少し離れたところで戦っているとはいえ、耳の良いモンスターの可能性もある。戦闘音の聞こえる方へ慎重に移動した。
低い姿勢で草むらに隠れるように進む。戦闘音がかなり近い。顔をヒョコッと出せば、男性プレイヤー2人と女性プレイヤー1人の姿が見えた。
戦っている敵は1体の巨大な亀。
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名前:重魔亀ヴォチリカ
レベル:20
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鑑定の結果、第1エリアのエリアボスだった。
だって、名前があの雀と同じような表記だったんだもの。
でもなぜエリアボスがここに?ここは次のエリアに向かうための道じゃないはずなのに。
〘素材アイテム:毒蜥蜴の目〙
★★★★☆
毒蜥蜴の2つしかない目の内の1つ。
眼孔は縦に開き、まるでドラゴンの目のよう。死してなおその目は相手を睨みつけている。
〘素材アイテム:毒蜥蜴の肉〙
★☆☆☆☆
毒蜥蜴から取れるお肉。
毒は内蔵にしかないため食べられる。淡白な味で、ダイエットにもってこい。




