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エピローグ:第一部最終話

とりあえず、第一部完として締めさせていただきます。よろしくお願いします。

 そんな壮大、且つ底の浅いマッドウルフ達の話など全く知らないアンビルは、「森の守り神ですか。狼さん達にお会いしたかったのですが、難しいようですね。森には入らずこのまま湖を一周して帰りましょう。」


 と、かなりあっさりしていた。


 邂逅叶わず、マッドウルフ達はまたもアンビルの記憶の片隅へ追いやられる幸運に恵まれる。

 ロランは挨拶を交わし馬車を動かした。


 湖のほとりは柔らかい昼の日差しが湖面に反射し、キラキラと美しかった。少し向こうには緑が揺れ、さわさわと心地よい音色を奏でる。


 平和な昼下がりだった。そこにはアンビルの求める癒しの時間が静かに流れていた。


 「お嬢様、お茶をどうぞ。」


 「ありがとうティファラ。」


 「それでお嬢様、昨日は沢山のイベント、いかがでしたか。私はやはりお嬢様の合格物語がよう御座いました。」


 本当に理解が出来なかった。あの受験の物語を王国中でうたって回るなんて。普通、騎士様の英雄譚とか、王女と英雄の悲恋とか、ある程度の相場はあるでしょう。


 合格物語!やっぱり恥ずかしい。魔法がファイヤーボール1発しか登場しない物語なんて、紙芝居でもありはしないわ。なんでこんな事に。


 「いえ、昨日の一番はやっぱり最後の魔法打ち上げ大会ですよ。素晴らしい出来ばえで、ロランは改めて感服致しました。」


 そうよ、それよ。何あの鳥達。はしゃぎ過ぎじゃないかしら。やっぱり魔法の詠唱は失敗しなきゃダメね。今後はより一層かみかみよ。エルサ先生、アンビルはまだまだでした。今後も油断せず、もっと確実にかみにいきます。


 ロランやアーレム商会に嵌められた、とは思わない、どこまでも育ちの良いアンビル。


 静かにお茶を飲みながら、今後の方針を練る。


 残念な事に魔法において、かめばかむほど、失敗すればするほど周囲の心やプライドをズタズタにしてへし折っていくのだが、アンビルはずっと気付かない。


 「そういえば、結局セールの調子はどうだったのかしら。」


 「はい、クンドー様が集計を今朝終えられまして、王都ピズニー全店の総売上は、建国記念日の4倍程あったらしいです。」


 もういいわ。考えるだけ無駄よ。アーレム商会の事はとりあえず忘れましょう。


 エルノイア王立高等学術院は全寮制ですから、距離を置いた生活で立て直すのよ。


 「新しい学校、新しい環境、新しい友人。不安も心配もあるけど、今は期待で心が膨らんでいます。私がんばります。」


 勿論、更なるトラブルと事件が巻き起こるのだが、その渦中にあってもやらかしても、アンビル本人は気付かないのであった。


第一部完

ここまでお読みいただきありがとうございました。初めての投稿を行き当たりばったりで書いてしまい、連載の難しさを痛感しました。G.W全部使って二万字以上書き貯めましたが、連投であっと言う間になくなりました。クスッとか、ぷっとか、笑ってもらえてたらうれしいですね。次はちょっと違う物語を書いてみます。しっかり書き貯めてみます。平行して今の物語の続きも書き貯めて、必ず『オーメソⅡアンビル』を投稿しますので、忘れた頃にでも、「たぶん天然」で検索してみて下さい。お付き合いただきありがとうございました。

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