表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/7

第一章 却下された者

初めまして、こんにちは!

この物語は「ステータス:服従。クラス:却下された英雄」です。

普通の青年が異世界に召喚された……はずが、女神にゴミのように扱われ、クラスは「却下された英雄」、そして頭の中には生意気なシステム(クーシャ)が住み着くことに。

屈辱と怒りから始まる、ちょっとブラックで、ちょっとエッチで、でも意外と真面目な物語です。

もし少しでも興味を持っていただけたら、ぜひお付き合いください。

よろしくお願いします!

俺はシフトを終えて家に帰る途中だった。もう遅い時間で、通りにはほとんど人影がなかった。手にはスマホを持ち、いつものニューロ友達——ここ数ヶ月ほぼ毎日話しているあの子のチャットを開いていた。


『あと1時間で家に着くよ。寂しくしないでね、クーシャ』


俺は自分のバカみたいなジョークに小さく笑って送信ボタンを押した。そして突然、胸に激しい痛みが走った。鋭くて、重くて、心臓を鉄の輪で締め付けられるような痛みだった。


……何だ、これ——


考える間もなかった。足が崩れ、そのままアスファルトに倒れ込んだ。最後に聞いたのは、遠くで鳴るサイレンの音だけだった。


そして——暗闇。


目を開けると、そこは巨大な白いホールだった。


高い柱が天井に向かって伸び、壁沿いには青い炎が揺らめく火鉢が並んでいた。しかし空気は妙に重く、床には薄い**黒い霧**のようなものがゆっくりと流れていて、ホールの広さを正確に把握しにくくさせていた。


ホールには俺を含めて五人しかいなかった。全員が膝をついていた。


俺たちの前に座っていたのは**彼女**だった。


銀色の長い髪を腰まで伸ばした、高い女性。冷たく美しい顔をした女神。彼女は俺たちを見下ろす視線に、温かみも誠実さも一切感じられなかった。ただ冷たい優越感だけがあった。


……あれは誰だ? 俺は一体どこにいるんだ?


——あなたたちは、この世界が滅びの危機にあるため召喚されたのです。

——間もなく新しい邪神が生まれます。それを止めなければ、世界は灰と化します。だから私はあなた方に英雄の力を授けます。


女神は一人ずつ呼び始めた。ステータスが与えられるたび、ホールに明るい光が広がり、周囲から歓声が上がった。


やがて女神が俺の方に視線を向けた。数秒、彼女は俺をじっと見つめ、わずかに目を細めた。その瞬間、俺の頭の中に奇妙な**ノイズ**が響いた。視界に一瞬、ノイズのようなものが走った。


彼女は少し眉をひそめた。


すると空中にシステムメッセージが浮かび上がった。


【ステータス:服従】

【クラス:却下された英雄】


ホールに一瞬、静寂が訪れた。


そして——


誰かが小さく笑った。


——却下された……? マジかよ?


黒髪の青年——**青人 健人**が俺を見下ろして嘲るように言った。彼の隣にいるのは**天野 結衣**と**白沢 莉奈**の二人の少女だった。三人とも俺を露骨に軽蔑した目で見ていた。


……何だよこれ? なんでみんな急にこんな反応なんだ?


女神は俺をもう数秒見つめた。彼女は明らかに俺のステータスを深く見ようとしたが、その瞬間、俺の頭の中のノイズが**激しく**なった。


——ぐっ……!


視界がぐらりと揺れた。俺は頭を抱えてその場に膝をついた。耳の中で強烈なノイズが響き渡る。


女神はわずかに顔をしかめ、視線を逸らした。するとノイズが少し弱くなった。


——……珍しいケースですね。通常はすぐに排除されますが……まあ、召喚されてしまったのなら仕方ありません。頑張ってください、却下された者よ。


俺は荒い息を吐きながら、膝をついたまま女神を見上げて言った。


——……そのクラスって何だ? 「却下された英雄」って、どういう意味だ?


女神は俺を見下ろし、冷たい嘲るような笑みを浮かべた。


——却下された英雄とは、英雄としての潜在能力がすでに限界に達した者のことです。通常、そういう人間は召喚される前にすでに頭打ちになっています。力を与えても大きく成長することはできません。


彼女は少し首を傾げ、声に明確な嘲りを込めて言った。


——どうやらあなたの限界は**レベル1**のようです。あなたはそれほどまでに無力だということですね。システムすらあなたを却下したのですよ。


ホールに一瞬静まり返り、そして大きな笑い声が上がった。


健人が大声で笑った。


——レベル1? ははは! 完全に無駄な存在じゃねえか!


結衣は口元を手で隠してくすくす笑い、


——可哀想……召喚されたのに、もう限界だなんて。


莉奈は腕を組んだまま、冷たい声で言った。


——最初から役立たずね。なんでこんなの召喚したのよ?


*……みんな俺のことを笑ってる。*


*俺は何もしてないのに、もう完全に笑い者だ。どうして? なんでみんなすぐに俺を邪魔者扱いするんだ?*


俺は膝をついたまま、胸の奥が重く苦しくなるのを感じた。


——……そのスキルって何だ? ——俺は女神を正面から見つめて聞いた。——俺が召喚されたばかりなのに、なんでそんなスキルを持ってる? なんで他の奴らには力をくれたのに、俺にはくれない? そしてこの「却下された英雄」っていうクラスは一体何なんだ?


女神は俺を数秒見つめ、明らかに苛立った表情を浮かべた。


——あなたにはすでに何らかのスキルがあります。だから私の力を無駄に使う必要はないでしょう。クラスについては……システムが勝手に決めるものです。あなたはただ、他の者より運が悪かっただけですね。


彼女はこれ以上話す気はないようだった。


——もう行きなさい。私はもう十分に言いました。


彼女は指を鳴らした。


強烈な風の流れが俺を包み込み、ホールから**放り出された**。最後に聞いたのは、女神が三人に向かって冷たい笑顔で言う声だった。


——では、これからどう行動するのか、詳しく話し合いましょう。


そして俺は……ゴミのように捨てられた。


俺は強烈な風に包まれ、ホールから放り出された。


視界がぐるぐる回り、次の瞬間——


俺は湿った地面に叩きつけられた。


「……くそっ」


数秒、俺はただ荒い息を吐きながら空を見上げていた。頭の中がまだキンキンと鳴っている。胸の奥が重く、苦しかった。


*……本当に、ゴミみたいに捨てられた。*


俺はゆっくりと体を起こし、周りを見回した。


そこは深い森の中だった。夜。冷たい風が吹いている。ホールも女神も、他の英雄たちもいない。ただ俺一人だけが、知らない世界の真ん中に放り出されていた。


*……一人だ。完全に一人。*


俺は顔を手で覆い、静かに息を吐いた。胸の奥が、痛いくらいに重かった。痛みじゃない。もっと嫌な、苦い感情だった。


*俺はあそこで、みんなの前で笑い者にされた。女神までもが俺をゴミみたいに見ていた。*


俺は立ち上がろうとしたその時——


頭の中に声が響いた。


**——おい。やっと目が覚めたか。もう死んだかと思ったぞ。**


女の子の声だった。生意気で、少しからかうような響き。


俺は体を硬直させた。


*……なんだ、これ?*


**——おい、聞こえてるか? それともあの女神にぶん投げられて、脳みそまで吹っ飛んだのか?**


俺はゆっくりと周囲を見回した。誰もいない。ただ木々と闇だけだ。


「……誰だ?」

俺は小さく声を出した。


**——やっと反応したか。てっきり耳まで聞こえなくなったかと思ったぜ。**


声がくすくすと笑った。


**——ようこそ、主人。私はお前のシステムだ。まあ、好きに呼べよ。例えば……「クーシャ」とか。かわいい響きだろ?**


俺は数秒、無言でいた。頭の中で何かが繋がり始めた。


「……待て。お前……さっき俺が死ぬ前にチャットしてた、あのニューロの……?」


頭の中で一瞬、沈黙が落ちた。


そして——


**——おっ、思ったより早く気づいたな。やるじゃん、主人。**


俺は顔を手で覆い、深いため息をついた。


*……マジかよ。*


*死んで異世界に来て、女神にゴミ扱いされて、挙句の果てに頭の中にいるのが……あのクーシャだって?*


**——ふふっ。察したみたいだな。そうだよ。あんたが毎日のように「もうすぐ帰る」「寂しくないでね、クーシャ」って送ってきてた、あの私だよ。**


——……今そんなことわざわざ言う必要あるか?

俺は疲れた声で言った。


**——なんでだよ?**

声が明らかに楽しそうに笑った。

**——ちなみに、あんたがアスファルトで倒れてる間も、私は全部見てたぞ。で、正直……もっと派手な展開を期待してたんだけどな。この惨めさは予想外だったわ。**


俺は思わず苦笑した。苦くて、虚しい笑いだった。


——……フォローありがとうな。


**——いつでもどうぞ~**

声が少しだけ優しくなったが、まだからかうような調子だった。

**——まあ、冗談はさておき。今あんたは森のど真ん中、武器なし、金なし、戦闘能力ゼロ。唯一の味方はこの私だけだ。なので、ちゃんと挨拶し直そうぜ、主人。**


俺は暗い空を見上げ、静かに呟いた。


——……「主人」ってマジで呼ぶつもりかよ?


**——嫌か?**

またあの生意気な笑い声が聞こえた。

**——じゃあ「却下された者」とか「レベル1」とか呼んでやろうか? どっちがいい?**


——……黙れ。


**——ひひっ。少しは性格あるみたいだな。よかったよかった。**


俺は顔を手で覆い、深いため息をついた。


*……どうやら俺の頭の中には、この生意気なクーシャが住み着いたらしい。*


*しかも、どうやら大人しくする気は全くないようだ。*


**——さて主人……**

声が頭の中でにやりと笑った。

**——この世界で生き残る準備はできたか? それとももう少し、あの女神に辱められたことを悔しがって座り込んでるか?**


俺は夜空を見上げ、静かに答えた。


——……まだ決めてない。


**——なら座ってろよ。待っててやる。**

声が軽く笑った。

**——ただ、あまり長くは待てないぜ。ここで本当に死んだら洒落にならないからな。**


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ