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その後しばらくして、主役の山盛教授が欠伸をしながらドアを開けた。保は、こりゃ、駄目だ! と瞬間、思えた。まあ、そうはいっても世渡りである。生活費は稼がねばならないから、見なかった…と思わねばならない。
山盛研究室の開発中のメカとは自動補足機である。この補足機は、普通に市販されている靴を履いて外出しようとする際、そのままスッポリ履けばいい、というものだ。歩行者の進行しようとする方向を0.01秒より短い単位で解析判断できるという優れもので、歩行者が停止しようとするときは、その意思に従って即、停止出来るというプログラムが内蔵されている。いわば、自動のスケートボード、ローラースケートの類なのである。実用段階までは道半ばというところで、最近はトラブルやミスが続き、講師の但馬以外のパーツは全員が滞っていた。そんな訳で、山盛教授のように、出勤当初から欠伸が出るのも頷けた。
「教授! 私のパーツは順調にいきそうです!」
但馬の、したり顔が三人を見回す。ニヤリとした笑顔だけに、保は余計、嫌味に感じた。おそらく、教授も同僚の後藤も内心は同じだろう・・と思えた。
「そうか、ご苦労さん。…君は朝早くから、いつも精が出るねえ」
内心で、どう思っているかは別として、教授は一応、ねぎらいの声を但馬にかけた。




