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沙耶の最終試験は日延べになったが、どういうシチュエーションでやるかについて保は迷っていた。新たな場所でやってみるというのも一案で、もう一度、研究室へ沙耶を連れていき、様子を観るというケースもあった。強力電磁作用に対する沙耶の新プログラムを観るならば、やはり研究室か・・と発想はなる。結局、その夜は結論が出ないまま保は眠ってしまった。寝られず飲んだ二杯目のジンライムが急に効いたのか、考えながら意識が落ちていた。このジンライムの安いシロップが保の好みだった。最近の店では本物が出て、この手のものは個人調達でしか飲めないのが難点だった。孰れしろ、沙耶は飲食が必要ないから、この感じをどうするかが今の保の課題になっていた。しかし、この工夫を考えるのが、保の楽しみでもあった。
次の朝、保は爽やかに目覚めた。もちろん、定刻に沙耶によって起こされてである。そのとき、ふと名案が保の頭を掠めた。沙耶の能力を使わぬ手はない…と。沙耶なら先々が100%の確率で予見可能なのだ。そんな便利な機能があったことを製作した当の本人の保は、ついうっかり忘れてしまっていた。
「沙耶、もう一回さ、研究室へ行くか?」
保は唐突に訊ねていた。今、頭に巡ったことは書き留めるか、するか、のどちらかだということを保は過去の経験則で知っていた。で、沙耶の先見機能に賭けたひと言を発したのである。




