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「いいじゃないですか、教授!」

 しばらくして、山盛教授の泣き崩れてヒクヒクと動く背中に手をかけ、講師の但馬が、珍しくいいところを見せた。

「そうですよ、教授! 我々は研究者です。商売人じゃないんですから…」

 保も黙っていられなくなり、そう加えた。

「同感です!」

 出来の悪い後藤が、かろうじて参加する。

「ぅぅぅ…。有難う、君達! そうだったな。私達は研究者だ!」

 この瞬間、保は下手な泣きの入った三文ドラマのワンシーンを思い出した。

 そんなことがあった数日前だったのだが、それが今朝は、夢を見たように消えていた。大学の研究室なのだから、それはそれでいいのだが、なんか今一、感動がない・・と、保には思えた。いつものように、教授は出来の悪い後藤のパーツに付きっきりだった。保は但馬と同様、パソコンで自分のパーツの最終チェックをしている振りをした。実はすで完成しているのだが、芝居である。

「教授、後藤のパーツは完成しそうですか?」

「ああ、あと少しでなんとかなりそうだ。君達のパーツは出来上がったんだから、後藤君のもOKなはずなんだが…」

 但馬がたずね、教授が返した。

「ローラー部でしたよね。少し見てみましょうか?」

 保がアグレッシブに言った。


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