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そして、少しずつその速度を増した。揺らぐこともなく、まったく機体は安定姿勢を保って進んでいく。姿勢制御システムが揺れを自動補正で吸収しているのだ。しばらく飛行し、100mの前進を終えた機体は180度反転し、浜辺をめざして戻り始めた。下で見守る三人は誰彼となく拍手した。完璧な成功である。元の位置へ下降して戻った機体に、山盛教授は思わず駆け寄った。教授は半ば涙顔で、飛行車のドアから出る保を思わずハグした。

「ぅぅぅ…、岸田君! 有難う!」

 そう言われても、どう返していいか分からない保である。ただ黙って、教授のされるに任せた。そこへ但馬と後藤も寄ってきて歓声を上げる。

「よしっ! 今日は祝杯だ! 後藤君、買い出しは?」

「はあ、それはバッチリですわ。バーベキューも二人前ぐらい、買ってきましたさかい、たら腹、食べて下さい。それにピールやワインもたっぷり、ありますんで…」

「そう…。君はソチラの方に才があるねえ」

 嫌味ながらも教授は真実を言った。歯にきぬ着せぬ物言い・・とは正にこれだ…と、保はうらやましく思った。直接、言えない性分だったからだ。

 その日の別荘での夜は賑やかな慰労会、祝賀会の様相を呈した。

「ははは…、これで教授が立てられた予定等は全て終結ですが、この先どうされます、教授?」

 少し酔いの回った赤ら顔の但馬がバーベキューの肉を頬張りながらたずねた。

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