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テントなら、すぐにも運べる軽さだから、飛行車で運ぶことも可能だった。小屋はログハウス的に後日、少しずつ作り上げることになった。
そんな話になっていようとは露ほども知らない保は、久しぶりに教授達と冷麦のカウンター席で祝杯を挙げていた。
「ははは…まだ、どうなるかは分からんが、とりあえず空間移動は成功したからね。乾杯!」
教授の音頭でガラスが触れ合う音がし、山盛研究室の四人は一声にジョッキを口へと運んだ。
「皆さん、今日は何かお目出度いことでもありましたか?」
冷麦の主人、室川は、笑顔で誰とはなく声をかけた。
「ははは…まあ。詳しいことは言えないんですがね」
但馬が教授をフォローする形で先に口を開いた。
「あれっ? 親父さん、あの綺麗な人は?」
少し離れたテーブルの客を上手くあしらっている着物姿の若い女を見ながら保が訊ねた。
「ああ…あいつですか。私の姪っ子ですよ。いやなに…、こいつ以外に店員雇うのは大変ですからね。週三日の手伝いで…」
室川が指さした横で小まめに動く天宮も、かなり板前ぶりが上がったように見えた。
「昇ちゃん、お銚子2本、追加ね!」
「はい!!」
いい返事だ…と保は思った。
「あら! いらっしゃい!」
「常連の岸田さんだ…」
室川が説明を加える。




