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「本当かよ」

「嘘を言っても始まらん。現実に今だって動力式の一人用グライダーが飛んでるじゃないか。車が飛んでもおかしかないだろ?」

「まあ、それはそうだが…。重い車が飛ぶとは、すぐには信じられんな」

「ははは…。無論、軽量化してだ。それに飛ぶ原理がまったく違う」

 俺は原案だけで、あとは沙耶が考えたと迄は言えなかったが、保は自信ありげに言い切った。保としては成功してもらいたい一件なのだが、その実、失敗した方が厄介なことにならないのではないか…と思っていた。自動補足機のマスコミ騒動は尋常ではなかったから、その記憶が保をアグレッシブにさせずにいた。中林と話していても保の意気がまったく上がらないのは、そのせいもあった。

「おい! どうした? 少し元気がないようだが…」

 中林が保を見遣った。

「いや、ちょっと疲れが溜まっているからだ。どうってことない」

「そうか ? なら、いいんだが…」

 親友の中林には保の小さな異変が、すぐ分かる。目敏ざとく、それを指摘したのだった。人間の保とは違い、不必要な雑念を思わない沙耶は益々、機械工学の知識を深めていた。そして、その実行の日は次第に近づきつつあった。

『沙耶さん、わたくしの方は、ほぼ大丈夫なようです。そちらは、いかがですか?』

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