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その後、順調に組立は進んでいったのだが、設計の大半は実際のところ沙耶がキャド(コンピュータ設計支援ツール)で図面化したものだった。それを保が三人にアドバイスをし、設計図面を完成させたのである。
その頃、沙耶はマンション近くのブックストアで手当たり次第、技術専門書を読み漁っていた。販売員はよく見る客がまたいる…とばかりに変な顔で沙耶を見た。そんなことにはお構いなしの沙耶は棚の本を次から次へと立ち読んでいく。その速度は尋常ではなく、販売員が変な顔をするのも頷けた。
『あの…この本よりもっと詳しいの、ありません?』
沙耶が一冊の機械工学専門書を手にしてレジへ来た。レジ係は沙耶の差し出した本を手にした。
「ああ…これですか。これ以上の本はうちでは…。あのう、図書館で探された方がいいんじゃないですか?」
レジ係は、いつも一冊すら買わない沙耶へ嫌味を込めて、そう言った。
『あらっ! そうだったわ! 私としたことが…。有難う、これ返します』
沙耶は、あっけらかんとそう放つと、反転して出口へ向かった。レジ係はその本を手に呆然と立ち尽くした。その30分後、沙耶の姿は区立図書館にあった。ブックストアと同様、図書館司書が訝しげに沙耶を横目で見ていた。それもそのはずで、やはり沙耶は書棚の専門書を次から次へと立ち読んでいたのである。




