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アンドロイドなら沙耶と同じで食べることは出来ないから、はっきり分かるという寸法である。

『いらっしゃいませ』

「沙耶さんでしたかな? ナントカいう方のお従兄妹いとこさんの…」

『はい、中林の従兄妹です』

 スンナリと出鱈目が沙耶の口から飛び出した。想定してある対話のリストを話せばいいだけだから、沙耶には簡単だった。とはいえ、三井と沙耶の間では、すでに頭脳戦の火花が散っていた。目に見えない情報戦の火花だから、保や長左衛門達には分かるはずもなかった。長左衛門達は奥の和間へ入った。長左衛門が洋間を好かないことを過去のデータから抽出していた沙耶は、滞りなく和間に準備を済ませていたから、事はスムースに進行した。三井の動きは沙耶とは少し違い、話す表現の硬さとともに所々、不自然な所作があったが、微細だったため、専門家がよほど行動を見続けなければ発見できない程度だった。

『先生、おかばんを…』

「おお、そうそう…。今日は勝と育子さんに頼まれたお前の縁談話を持ってきたんじゃ…」

「ええっ!!」

 保は完全に予想を裏切られた。沙耶にしても想定外のハプニングであり、予見検知のデータ外だ。

「おじいちゃま・・おじちゃん、お見合いするの?」

「んっ? おお、保が気に入ればな。ほっほっほっほっ…」

 長左衛門は顎鬚あごひげを撫でつけながら優雅に笑った。手下の里彩にも知らせていない長左衛門の極秘作戦だった。

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