表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
226/310

-226-

 一瞬出来た空白の間合いに気拙まずさを感じたのか、「いや、つまらんことを言いました。気にせんで下さい」と、矢車は加えた。

「いや、まったく気にしてませんから…」

 保は笑って受け流した。沙耶も機械的な愛想笑いをしながら軽く頭を下げ、その場を去った。保は内心、危ない危ない…と思った。それでも怪しまれずに済んだから、気分的には、ほっとして研究室へ戻った。一方、沙耶は辺りを見回し、人の姿がないことを確認すると瞬時に時速300Km超の速さで走り出した。道路に突然、疾風が巻き起こり、まるでリニアモーターカーのような通過だから、普通の人は面食らう感覚である。当然、木枯らしのような強烈な風塵を伴い木の葉などは吹き飛ばされた。およそ150Km離れた茨城の太平洋岸に沙耶は30分弱で到着し、何事もなかったかのように停止して歩き始めた。眼前には太平洋と半ば復興した漁村が展望できた。

「おめえ、凄いよな。お陰で助かるって、村の者は皆、言うどる」

『そんな…』

 沙耶は疲れることなく、馬鹿力で普通の五人分は働くのだから、そう言われるのも道理だった。沙耶が参加した前からボランティア従事者はいたが、次第にその数は減り、この村では今や沙耶だけになっていた。だが沙耶は五人分をこなしたから、一般ボランティアが五人いるのと何ら変わりなかった。漁村の復興状況は、元通りといかないまでも、震災前の70%方まで進んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ