表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
193/310

-193-

吊革などいらぬ気で、威風堂々の和服姿は他を威圧する。なぜ、じいちゃんがここにいるんだ…と、保の頭はパニッックになった。申し計ったような正確さ・・偶然にしては余りにタイミングが良過ぎるのだ。長左衛門だからと言えばそれまでだが、保には俄かには信じられない長左衛門の出現だった。

「じ、じいちゃん!!」

 保は声を乱していた。まさかの展開である。想定外とはまさにコレで、周囲に乗客がいる以上、どうすることも出来なかった。仕方なく揺られているしかない。降りる駅が次に近づいたとき、長左衛門はボソッ! と保の耳元で囁いた。

「どうも気になってな。今日は一人で出てきたんじゃ。あの娘御はどうしておる?」

「沙耶か…。元気にしてるよ」

「そうか。ムフフ…」

 長左衛門は意味深にニヤけた顔をした。

「じいちゃんが考えてるような間柄じゃない」

 左右前とひとがいるから、保は小声で呟いた。

「まあいい、まあいい…」

 人目が周囲にあるのは長左衛門も分かるから、それ以上は深追いしなかった。そのことよりも、手下の里彩が今回、いないことが、保にとっては、ホッと安心できた。長左衛門だけなら、なんとか守勢でもしのげるからだった。里彩の場合は、とんでもない話で切り込んでくるから、保にとっては返って手強ごわかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ