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「ああ…」

「あっ! どうも…」

 保のあと、かろうじて山盛教授だけが声をかけた。ガチャ! とドアが閉じ、沙耶がいなくなったとき、但馬と後藤は気づいた。

「お従兄妹さん、帰ったのか…」

「はい。若林の従兄妹ですが…」

「…、君のエアカー理論、もっと聞きたいな、それに設計案も。ねっ! 教授」

「そうだね…」

 表面上にしろ、但馬が珍しくアグレッシブに保を認めた。室内の片隅に置かれた自動補足機は、話題に上ることなく寂しく置かれていた。

「そんな大した考えじゃないんですよ。但馬さんに言ったのは、あくまで、だったらいいな、ぐらいの話しですから」

 保は下手に出た。

「設計図面とかは、ないの?」

 教授がいつも持ってくるステンレスマグの茶を飲みながら言った。なんでも、血圧低下にいいそうである。保はすぐの効果は眉唾まゆつばと思ったが、長いスパンでは有効なのだから、あえて教授には進言しなかった。

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