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よく考えりゃ、外出に下着は関係なかったか…と保は思った。まあ、それはともかくとして、九時を少し回った頃、二人? と呼べるかどうかは別として、保達はマンションを出た。幸い、雨の心配はなさそうな快晴で、湿度も低くさっぱりとして爽快だ。沙耶の歩行も順調で、滑らかな足の運びは、とてもアンドロイドとは思えなかった。妙な行動も今のところないし、これなら大丈夫だ…と思いながら保は進んだ。恋人が並んで歩いている…という態で歩道を抜けた。地下鉄への最短ルートを保は計画していた。万が一のときは手動に切り替えられる手のひらサイズの遠隔操作機は保のポケットに忍ばせてあった。普段、部屋では持ち歩かない代物だが、人の目のある場所での郊外試験だから、不慮のアクシデントを考えれば絶対、必要に思えた。地下鉄へ下りる階段では、さすがに気が気でない保だったが、案外スムースに沙耶は降りていった。前後に人の波があったが、怪しまれることなく改札口まで近づけた。保とすれば、ひとまず、やれやれ…だ。次の課題は乗車券だ。保には定期があったが、沙耶にはない。それは当然で、保は券売機の方へ行こうとした。するとなんと、沙耶がすでに動いていて、券売機で切符を買っていた。それも何の違和感もない馴れた仕草で、誰の目にも初めて地下鉄に乗る者には見えない身の熟しだった。保は目を見張った。俺より馴れている…保の第一感である。二人? はホームに入り、次に来る列車を立って待った。保の計画では、少し離れた繁華街のデパ地下で食材とかを買おうというものだった。




