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 保の勘はピタリと当たっていた。保が応接フロアーで待っていると、山郷は飛び出してきた。

「お蔭でなっ! お前も元気そうで何よりだ」

 二人の顔から笑みが漏れた。

「どうした? また何かきたいことでも出来たか?」

 そう言うと山郷は、ははは…と陽気に笑って保の対面席へドシッ! と座った。

「いや、そういう訳でもない。お前の顔が浮かんでな。そういや、あれ以来・・と思って、寄ってみただけだ」

 山郷とは高校時代からの付き合いだったが、進学で保は国立へ山郷は都立へと進み、道が分かれた。そして大学時代の数年、疎遠になっていた。それが数年前、沙耶の人工皮膚の一件で保が訪ねたことで交流が復活したのだ。立場は違ったが、二人は互いに大学助手になっていた。

「そうか…。どうだ、研究室の様子は?」

「ああ、今の研究が順調で、教授もご満悦だ」

「自動なんとかって、言ったよな?」

「自動補足機だ。昨日はその試運転実験とデータで国立競技場だ」

「えっ! 国立競技場…。よく取れたな?」

「教授の人脈でな。それに併設の回廊走路だ。もちろん、午前中は施設点検の名目で閉鎖にしてもらってだが…。マスコミに漏れると(まず)いだろ?」

「すごい人脈だなっ!」

 山郷は唖然とした。

「ああ…、一応、俺の上司だからな」

 保は少し自慢げに言った。

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