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復讐だいさん

「魔王軍はどのようになっておりますかな?」


「俺が一番上、後お前さんが倒した部下が四人で四天王、その配下が現在千ずつで今四千ってとこ。勇者にかなり倒されたからな」


「ロッド殿は少し弱すぎますな」


「お前が普通じゃないんだじじい!」


「じじいとは魔王様のお言葉にしては……」


 テオがしかめつらでロッドさんを見ました。テオ曰く、じじいとは庶民の言葉らしいですわ。

 ロッドさんが弱いのは仕方ないけど、王国に攻め入るつもりはないからと念を押します。


「復讐なら違う方法でやれよ」


「お嬢様のお望みは魔王様の力を借りての王家のせん滅です」


「せん滅っていつ決めたの?」


「昨日です」


「おい、フリーゼ、お前せん滅したいの?」


 初めて名前を呼んでもらえましたが、せん滅ってそこまでは考えていませんわ。

 あのアリスさんを……。


「俺女をつるしあげる趣味ないから、せん滅は考えてないってよ」


「なら痛めつけるくらいにしましょう。お嬢様」


 私は王太子様に私の痛みを思い知ってほしかった。何度言っても君は幼いからというだけでした。

 妹のように想っていたと……。


 私は舞踏会で王太子様を見た時からずっと好きでした。

 お父様にお願いして何度かお会いしてもっと好きになりました。

 だから婚約者になりたいとお願いしたのです。

 嫌なら嫌とその時言ってほしかった……。


「私は何かしないでいられない……だってずっとずっと王太子様のためにお勉強してきたのに……」


「これからまだまだお前には人生があるから、これもひとつの……」


「嫌です! 絶対に復讐します」


「復讐方法を俺は間違えていると思う」


 何度言っても聞いてくれなかった王太子様、それにこちらを見て笑っていたアリスさん。

 お小さいから仕方ないですって……。

 小さいからその好きが本当じゃないって……。

 やれやれといったようにその言葉を聞いていた王太子様。

 王様は笑っていました。


 父上は「もっといい相手を見つけてあげるからね」って。

 10歳の公爵令息とやらの縁談を持ってきました。


 そうじゃないんです。違います。

 ずっとずっと好きだった想いが本当じゃないって否定されたのが辛い。

 テオしかわかってくれませんでした。


「うーん、俺はその王太子と王様とアリスって女は最低だと思う。俺もまだチビだからってこれが魔王? って馬鹿にされたら腹たつもんな」


「復讐を!」


「でもさ、復讐って他にお前がいい女になってとか……」


「待っていられませんもの!」


 どうもロッドさんは平和主義者すぎます。こんな辺境の魔王城にすんでいて常識的とかそういうことしかいいません。


「ロッドさんは勇者に復讐したいと思いませんの?」


「だって復讐なんてすんなって親父がいったからさ、魔王は勇者に倒されるもんだって」


 ロッドさんは辛そうに目を伏せました。お母様はロッドさんを庇って聖女にころ……。

 聖女様って女の人を?


「聖女って女がお袋に浄化魔法ってやつを放った。お袋は消えて行った……俺を庇って」


「それは……」


「でも俺は復讐は復讐を呼ぶから、人間と戦うつもりはない」


 その言葉には重みがありました。でもお母様を殺されて仕方ないって……。

 とてもロッドさんは辛そうです。私の復讐なんてちっぽけなものですか? でもアリスさんのあの目、馬鹿にする目を思い出すたびに私は眠れません。

 魔王城が所々壊れていて、あまり財宝らしきものがないのはそんな理由だったんですね。

 でもお母様がいないってどんななのでしょう。

 それに殺されたって酷いのに、こんなことを言えるなんてすごいです。

 私のほうが子供ですかね。そういうと子供じゃんとかえされました。

 

「他の手段なら手を貸してやるよ」


「ありがとうございます!」


 私は魔王城の居候となることとなりました。いえロッドさんが他に言い方あるのかと言われましたが。

 テオは一応指南役?

 ここから私達の復讐劇がはじまったのでした!






 

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