第64話【箱の中】
前回のあらすじ
殴られる夢宮
取調室の中に居る小波とボス。
「ボス!!これは一体どういう事ですか!!」
「どういう事はこっちの台詞だ!!市民の前であんな事を・・・一体何を考えている!!」
「アレは私達警官を侮辱する言葉を吐いたのですよ!?」
「だからと言って手を出す馬鹿が何処に居る!?」
「そもそもボスは言ったじゃないですか!!優秀な部下が欲しいって!!」
「言ったとも!!
お前が街中で拾って来る腕っ節が強いだけの不良じゃない優秀な部下が欲しいとな!!」
小波が街のチンピラの姉貴分をやっているのには訳が有る。
それは腕っ節の強い者を伝手を対怪人課にリクルートしているからである。
対怪人課に求められるのはまず腕っ節である。
しかし怪人と戦う機会が少ない対怪人課は言うならば閑職である。
そんな場所に好き好んで来る者は少ない。
だが人手は必要だ、そこで街中の腕っ節が強いチンピラをリクルートする方法を取っていた。
確かに腕っ節の強い者だが・・・
「腕っ節が強いが問題を起こす問題児じゃないか!!」
当然ながら警官としての資質に欠ける者達だった、汚職等に手を染める者も少なくない。
そもそも集団で集りをやる様な連中なのだ、性根が腐っている。
「私は彼等に更生の機会を与えているんです!!
彼等だって不良になりたくてなった訳じゃない!!
その彼等に救いの手を差し伸べて何が悪いんですか!?」
「何を言っている!!それでこっちの立場がどんどん悪くなってるんだろうが!!」
「怪人さえ出てくれれば彼等は戦えます!!その時こそ彼等の真価が発揮されるのです!!」
「馬鹿かお前は!!警察の仕事は無い方が良いんだよ!!
怪人なんて出て来ない方が良いに決まっている!!」
「ですが!!」
「くどいわ!!お前は暫く減俸と降格だ!!巡査に戻って交番勤務からやり直せ!!」
「そんな!!私は正義の為に戦っているんです!!」
「市民を殴るのがお前の正義か!!」
「あんな奴守らなくても良いじゃないですか!!」
「それを判断するのはお前じゃない!!お前は唯の警察官なんだ!!
警察は市民を守るのが仕事だ!!
どんなに腹立つ事を言っても法を犯さない限り守らなければならない市民だ!!」
取調室で尚も続くボスの説教。
「ですが!!」
それに食い下がる小波、この論は夜中まで続いた。
次回【波乱】




