第154話【不運】
前回のあらすじ
ノギクボも北に向かう
「・・・・・」
炬燵に入りながらカニ鍋を目の前にして滝は銃火器の整備をしていた。
「・・・そろそろ食べられるかな」
「滝さん、 こんな時にカニ鍋って・・・」
中年男性が滝を諫める。
「名物でしょ? なら食べておかないと」
「確かに名物ですけどねぇ・・・でも良くこんな状況で御飯食べられますね」
「腹減ってますからね」
「私はもう怖くて喉に通らないですよ・・・」
今、 滝が居るのはスタンピートの発生源である北国街のとあるデパート
そのデパート内の警備室である。
滝はデパートで行われていた物産展に観光目的で訪れ
スタンピートに巻き込まれてしまった、 と言う何ともついていない理由でここに居る。
「せめて名物を腹一杯食べておかないとな、 アンタは良いのか?」
「さっきも言いましたが怖くて食欲無いですよ・・・」
「怖く無いだろ、 モニターが有るんだから」
今、 滝が居る部屋は和室で炬燵が有り、 デパート内の様子が分かるモニターが設置されている。
これを使えば今、 何処にどの程度怪人が居るのか把握出来る。
「滝さんみたいな怪人ハンターと違って私達は一般市民ですからね・・・」
「だらしねぇな・・・あちあち」
カニ鍋をつつき始める滝。
「何れにせよ・・・あち・・・
避難出来た人達分の生活スペースや食料は充分に有るだろ
非常食にしては旨すぎる食料が、 本当に旨いな」
「旨くてもちゃんと食べれる人は少ないですよ・・・」
「そうか、 その分こっちが食べるとしよう」
ズズーと殻からカニ味噌を啜る滝。
「文句があるとしたら酒が呑めない事か」
「止めて下さい、 貴方が酔った状態怪人が来たら俺達死にます」
「アンタも私服だけど警備員なんだろ?」
「警備員でも人間相手の警備員ですよ、 怪人相手なんか想定していません
ましてやスタンピートなんて・・・」
肩を落とす中年。
「まぁ気を落とすな、 逆に考えるんだ、 スタンピートから・・・
ここに居るのは何人だっけ?」
「私達含めて17人ですね」
「17人も助けられたと考えれば良いんだ
しかもその17人は食道楽が出来る」
「それは魅力的じゃないですね・・・さっきから言っていますが怖いですよ・・・」
「安心しろ、 警備室のドアは既に溶接してある
滅多な怪人の攻撃じゃあ壊れない」
「フラグじゃない事を祈りますよ」
「大丈夫だ、 俺を信じろ」
次回【滅殺】




