第136話【酔歩】
前回のあらすじ
興亜が活躍した
星々が綺麗、 美しい、 視界が開けた、 炎が瞬いている。
極彩色の世界に眩暈がする、 情報の洪水が興亜を襲った。
「なん・・・だ!?」
『凄まじい効き目だろお!?』
さっきまで唸り声にしか聞こえなかった怪人の声がはっきりと人間の声に聞こえた。
体中に怖気が奔る、 何が起きたのか全く分からない。
足元がふらついた、 いけない、 ふんばらなければ
足に力が入らない、 止む無くその場に倒れた、 更に意識が鮮明に星の瞬きが
暴力的な程、 脳内に流れ込んで来たのだった。
「何が起きて・・・!!」
興亜は思い出した。
この廃工場に来る前に追手に来るであろう二人の怪人。
鶴瓶と誠也について。
葵が知るこの二人の特性、 鶴瓶は朝顔の蔓を伸ばして攻撃出来
そして誠也は大麻で幻覚等を見せる事が出来る、 しかし屋外では使えない筈・・・何故?
とそこで屋根の上で燃えている物を見る、 先程誠也が投げて来た物・・・
それは引き千切られた誠也の体の一部、 屋外でもここまで密度の濃い物ならば・・・
と言う事なのだろうか、 薬物の症状が出始めて来た。
危険だ。
「くっ・・・」
誠也の体の一部を屋根から放り捨てる。
「はぁ・・・はぁ・・・!?」
投げ捨てた時に地面を見ると誠也が居ない!!
一体何処に行った!?
「何処だ!? 何処に・・・」
『こっちだよ』
「!?」
すぐ後ろに立っていた誠也。
「ど、 どうやって・・・」
誠也は雨樋を指差した。
「く、 くそ・・・」
誠也は自身の大麻の手で興亜を口を塞いだ。
その刹那、 興亜は自分の一生を一瞬で体感した。
生まれる以前の羊水の中の頃から出産の情景、 幼稚園、 小学校入学
葵との出会い、 そして別れ、 羊との出会い。
一秒にも満たない時間の中で今まで生きていた十八年間を一瞬で想起したのだった。
そして星が見えた。
満天の星空、 一体何が起こった?
体が動かせない、 あぁそうか・・・
興亜は自身が屋根の上から落とされた事を悟るのだった。
「興亜あああああああああああああ!!!」
人間に戻った葵が興亜に駆ける。
「酷い・・・酷い・・・」
「あ・・・おい・・・」
倒れた興亜を抱きかかえる葵。
「興亜・・・大丈夫だから・・・」
『何が?』
蔓の上でで鉄骨を掲げた鶴瓶が鉄骨を葵目掛けて振り下ろした。
ぐしゃり、 と葵の頭が潰された。
次回【大爆発】




