第109話【顔出し】
前回のあらすじ
兄坂さん可哀想
記者会見から数日後。
【C2号部隊】の基地敷地の傍を歩く滝。
記者会見の兄坂の有様を見て紹介した手前、気になってやって来たのだ。
基地の前には『軍国主義反対!!』とプラカードを持ったプロ市民達が屯していた。
「何処に居ても馬鹿は居るもんだな・・・」
「そうねぇ」
ランニングウェア姿の兄坂が後ろから話しかける。
「兄坂・・・」
「ども、 和人君来てくれたの?」
「流石に紹介した手前心配になってな・・・」
「あら心配してくれたの?」
「心配になったんだよ、 間違えるな」
「私は大丈夫よ」
「お前は別に如何でも良い、 他が心配なんだよ」
「他って?」
「お前のこっち系の趣味だよ」
顔に手の甲を付ける仕草をする滝。
「あら、 そういう差別的なのは頂けないわ」
「確かに口出すと面倒な部類だなぁ・・・」
「面倒と言えば基地の前のキチ〇イ達ね
搬入とか邪魔して来るのよ、 彼等」
「本当に卑劣だよなぁ、 自分達は安全圏に居ると思っているから性質が悪い」
「本当にねぇ、 しかも馬鹿だし」
「馬鹿だよなぁ、 記者会見にも顔出したお前がここに居るのに何も言って来ない」
「何か言ってきたら懐のゴム弾銃で蹴散らすけどね」
「懐って何処に入れてるんだ?」
「ここよ」
股間を指差す兄坂。
「・・・・・ホルスターに入れて置けよ、 誤射したら偉い事になるぞ」
「ゴム弾如きで私のマグナムは如何って事無いわ」
「・・・・・お前、 マジでそのノリ止めろよ
こっち紹介した手前、 お前が変な事すると信用に関わるからな」
「心配だったら紹介しないでしょ、 つまり私の事を信用しているって事でしょ?
ツンデレって奴なのかしら和人君ったら~」
「いや、 一応お前の問題点は言ったんだが構わないって言われて紹介してしまったんだよ
マジで行き過ぎた事とかして無いよな」
「してないわよ~、 もう嫌ねぇ、 そんなに気になるなら基地の中見ていく?」
「そうさせて貰うつもりだ」
「じゃあ流石にあの馬鹿達を掻き分けて基地の中に入る訳にもいかないし
別の入口から入りましょうか」
「別の入口?」
「一応基地だからね、 四か所に入口が有るのよ」
「へぇ・・・そうなのか」
そう言いながら別の入口を目指す滝と兄坂。
歩きながら最近の話に花を咲かせていたが
まさかあんな事になるとは思わなかったのだった。
次回【異常事態】




