表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改稿版】異世界転移した俺は万能スキルでスローライフを謳歌する  作者: みなと劉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/37

21 天ぷらと海老フライ、鯵フライ、蟹の天ぷらを作る

 油がしっかり温まったのを確認して、海老を一本ずつ静かに滑り込ませた。

 じゅわあっ。

 激しい泡と共に、海老が油の中で踊るように揺れる。フライの方はパン粉がみるみるきつね色に変わっていき、天ぷらの方は薄い衣がぷくりと膨らんでいく。どちらも色と音で揚がり具合を確認しながら、菜箸で向きを変えて均一に火を通していく。

 音が変わった。最初のじゅわじゅわとした重い音が、軽いパチパチに変わってきたら引き上げるサインだ。

 フライはきつね色に、天ぷらはうっすら黄金色に。菜箸でつまんでバットの網の上へ。油がすっと落ちて、衣がぱりっと立った。

 これを繰り返す。一本揚げては次を投入し、また揚げて、また次へ。キッチンに揚げ物の香ばしい匂いが満ちていく。

 全部揚がったところで、天ぷら用と海老フライ用、それぞれの皿を念じて出し、菜箸で丁寧に盛り付けた。


---


 次は鯵フライだ。

 鯵の開きを一枚手に取り、小麦粉を薄くはたく。溶き卵に浸して、パン粉をまんべんなくまぶしてから、油の中へ。

 キチャキチャという、フライ特有の音が鳴り始めた。

 鯵フライを美味く仕上げるコツは、一枚ずつ丁寧に揚げることだ。「三枚まとめて入れれば早いのでは」と思うかもしれないが、それをやると鯵の臭みが油に広がって、後から揚げたものにも移ってしまう。手間でも一枚ずつ、これが正解だ。

 衣がきつね色になってきた。菜箸で端を持ち上げて確認すると、裏側もしっかり色づいている。バットへ。

 二枚目を投入する。キチャキチャ。また同じように揚げて、バットへ。三枚目も同様に。

 これを繰り返して、鯵フライ合計六枚が出来上がった。どれも衣がしっかりきつね色で、端まで均一に揚がっている。


---


 最後は蟹の天ぷらだ。

 海老天ぷらと同じ要領で、冷やした衣にくぐらせて油へ投入する。蟹は身が繊細だから、海老より少し短めに揚げる。衣がさくりとした手応えになってきたら、すかさずバットへ。

 これで揚げ物は全部終わりだ。

 盛り付け皿に海老フライ、海老天ぷら、鯵フライ、蟹の天ぷらをそれぞれ並べると、テーブルの上がにわかに華やかになった。揚げたての湯気が立ち上って、キッチン全体が香ばしい匂いに包まれている。

「……すごい量ですね」

 メセタが目を丸くしながら眺めていた。

「今日は豪勢にいこうと思って」

「全部食べていいですか?」

「一緒に食べるんだから当然だろ」


---


 さて、後片付けの段取りも考えておかなければ。揚げ物に使った油はそのまま捨てられないから、凝固剤で固めてからゴミに出す必要がある。

「固めるテンプル」

 ぽんっ。

 テーブルの上に『揚げ物終わりに固めるテンプル』という商品が現れた。使い終わった油に溶かして固めるだけで、燃えるゴミとして捨てられる優れものだ。油が冷めてから使えばいいので、まずはこのまま置いておく。

 ところで、と俺は思った。

 ゴミを固めて捨てるにしても、この世界のゴミ出しのルールがわからない。家を手に入れる前に街道を通ったとき、ゴミステーションらしきものを見かけた気がする。指定ゴミ袋があるとすれば、この能力で出せるかもしれない。

「この世界のゴミ出し用指定ゴミ袋」

 ぽんっ。

 袋が現れた。手に取って確認すると、印刷された文字が目に飛び込んできた。

『ラゴス地区指定ゴミ袋』

(ラゴス地区……?)

 この場所に、名前があった。俺がいるこの森の周辺一帯が「ラゴス地区」と呼ばれているらしい。知らなかった。というか、この世界のことを俺はほとんど何も知らない。

 俺はメセタを呼んだ。

「メセタ、ちょっといいか」

「なんですか我が君?」

「ラゴス地区って知ってるか?」

 メセタの耳がぴんと立った。


---

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ