表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/57

第6話 その3 「パレード②」

「しかしすごいな、お嬢さまのゴートマンは強いな。あ、ちょっと待ってな」


そう言って厩務長が厩舎からパレードなんかで使う儀礼用の馬の金ピカの装飾を持ってきた。


「せっかくのお嬢さまの旅立ちと召喚獣お披露目だ。花飾りだけじゃもったいないからな。おい!お前らやるぞ」

「ヘイ!」


厩務員がゴートマンに金ピカの頭飾りや金糸の刺繍や金細工の装飾で飾られた馬具をつけていく。普通の馬よりも大きいのと太さもあるので完成したゴールドゴートマンは金ピカの重戦車。実にお嬢さま好みです。


「すごいわ、ゴートマン! 立派なわたくしのナイトですわ」


そう言ってお嬢さまが嬉しそうに馬上ならぬ山羊上からゴートマンの首に手を回して抱きしめる。


「メェェェ」


ゴートマンもいい雰囲気でお嬢さまに擦り寄ってます。それ以上調子に乗るなよゴートマン!ぶっ飛ばしますよ。


「ゴートマンだけじゃ知らない者が見たら驚きますので、我々もご一緒いたします」

「わかりました。では、よろしく」


いつのまにかゴートマンと同じく金ピカの馬具を装着した近衛の人が合流です。だんだん、アーネスト家特有の悪ノリな雰囲気が……


その後、近衛の隊舎に寄ったら鼓笛隊が「お、いいね秋祭りのパレード練習だ」と合流されました。託児施設では、同じく秋祭りの出し物でピエロの扮装してた、ちびっ子軍団がワーイと加わり、食堂ではお祭りかいと麻袋いっぱいのお菓子や飴をいただきまして、もう完璧なパレード状態です。


お屋敷内をパレードしていたら、後ろから見慣れぬ騎馬が数頭走ってきて、お嬢さまの横に着く。近衛の人と違うお嬢さまと同じオリーブグリーンの制服のアーネスト正規軍の軍人さんです。


「セシリアお嬢さま、いえ、セシリア准尉! 明日の学園出発に関して、軍本部へ出頭するよう軍指令からの伝令です」

「セシリア准尉、了解です。直ちに軍本部に向かいます」


お互いに騎乗のまま敬礼で返す。


「で、なんの用件ですの?」

「我々も明日の出発に関しての用としか聞いておりません」

「なんか、いい予感しませんわね」


正規軍の騎兵さんがチラチラとパレードを見てる。


「あの、このまま街に出られるんならそれなりの警備や交通整理が必要かと存じます」

「ええそうですわね。そちらは、お任せして良いかしら?」

「はい、お任せください。早速本部に戻ってパレードの準備……いえ! 警備の準備に入ります」

「では、失礼!」


再び敬礼をして馬を返し駆けて行った。騎馬が離れた方向から「ヒャッホウ!祭りだ!」と叫ぶ声が聞こえる。

アーネスト家は正規軍もやっぱり同じノリなのですね……


セシリアお嬢さまが、急造パレードメンバーに振り返ると


「みなさま、これより街に行きますわ!目指すは軍本部です。出発!」

「「「オー!」」」


再び鼓笛隊のラッパと太鼓が鳴り響きピエロが踊るパレードが街に向けて進行を開始した。


街はちょうど市場が立っていて大賑わいの中、かわいいピエロの先導で鼓笛隊が進み金の装飾の騎馬隊にエスコートされた、ゴールドゴートマンと花冠のお嬢さま。


どう見てもお祭りのパレードです。街の皆様もパレードを見に沿道に集まり出しました。


「おい、なんのお祭りだよ?」

「あれ、セシリア様じゃない?」

「かわいいー! セシリアさまー!」


沿道から様々な声が上がりセシリア様が笑顔で手を振って応える。


「皆さま、わたくしの召喚獣ゴートマンのお披露目とわたくしの学園入学の前哨祭ですわ! 存分にお楽しみになってくださいませ!」


近衛の騎士達が、飴やらお菓子を沿道にばら撒き子供達がはしゃいで拾い集めている。


「セシリア様、俺たちもパレードに参加していいかい?」


市場にいた流しの楽師の問いかけに、セシリア様が満面の笑みで振り返ります。


「ええ、もちろんですわ! 皆さま、参加は自由よ! 軍本部まで賑やかに行進いたしましょう。奮ってご参加くださいまし!」


その一言で、楽師だけでなく踊り子やストリートパフォーマーまでが次々と列に加わります。パレードは瞬く間に、お祭り騒ぎのような熱気を帯びていきました。


そんな中、お嬢さまがこちらを見て「おいでおいで」と手を振っています。お呼びですわん!


「なんでございましょう、お嬢さま?」

「見て、とっても盛り上がってきましたわ! ルナリア、もうひと押し何か素敵な演出をお願いね」


出た、お嬢さまの「いい感じにやって」という名の丸投げ!


メイド使いが容赦ないですが、盛り上げ仕事は嫌いじゃありません。むしろ腕が鳴ります。


早速、VR空間で演出対策会議です。


(さて、何しましょうか。ナノマシンでできることは?)

《補足:ホログラム演出は半径100メートル圏内で可能です》

『花びらヒラヒラ花吹雪がみたい』

とネコ耳ルナリア


(よし、『花びらひらひら花吹雪』。ベタだけど、乙女ゲーのパレードといえば花と妖精でしょ。コンセプト決定!)


ついでに、列に参加してくれた踊り子のお姉さまたちも可愛い子ばかり。せっかくなら衣装もトータルコーディネートしたいところです。


(ナノマシンで、人の衣装の見た目も変えられる?)

《肯定的回答。イメージを共有いただければ、リアルタイム・レンダリングで即座にテクスチャを上書きします》

(すごすぎる。私、戦闘以外なら最強の魔法使い(ウィザード)じゃない?)


ネコ耳ルナリアが妖精の衣装をクレヨンで画用紙に描きだします。さらに、自分もこの輪に混ざるためにダンススキルを脳内に直接インポート。


準備万端です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ