25話 盗賊の頭との戦い
舗装されていない道。
その盗賊の頭らしき男は体に傷が見られるがそれでも目は死んでおらず鋭い目でこちらを見ている。
傷からわずかに出る血は弱さではなく、むしろ威圧感を出している。
うん、こうして見ると迫力があるね。
もし、ボクが普通の精神の持ち主だったら、震えて動けなかったかもね。
ボク?普通の精神の持ち主じゃないらしいね。
スキルに狂気なんてものもあるし。
自分では別にそんなことないと思うんだけど。
そんなわけで、少し体が震えている気もするけど別に動けないなんてことは全然ない。
今こうやって睨み合って(ボクは霧状だから相手には分からないかもしれないけど)相手もなんか冷や汗をかいている。
まぁ、自分の手下がこうもあっさり倒されたのだから当たり前のことかもしれないけど。
そんなことを考えながらしばらく睨み合っていたがそれも終わった。
相手がこちらに向かって走り出した。ボクは、相手を近づけさせないように闇弾を何発か撃つがほとんど避けられ当たったものも掠った程度だ。
やはり、戦闘経験の差が出る。
しかし、そんなことは分かっている。
ボクはあらかじめ仕込んでおいていつでも発動できるようにしていた無属性の拘束の魔法で足を止める。
それ程拘束力のあるものではないので拘束できたのは一瞬だが若干バランスを崩すことに成功した。
そこを狙って、怨呪弾を放つ。
「ぐふっ!?」
よし。
少しずれたけど当たった。
しかしダメージを与えることは出来たものの、まだ相手はこちらに向け走ってくる。
ただ走ってくるだけでは無理と悟ったのか、今度は火の玉、ファイヤーボールを撃ってきた。
一つ一つは弱く速度も速くはないが、複数来たので戦闘経験の少ないボクには避けることに苦労する。
相手を近づけさせないように避けるのは無理。
そう考えたボクは避けるのをやめ、ダメージは覚悟で相手に近づけさせないように攻撃する。
痛っ!?
やはり痛みはある。
あるが、こんなことで攻撃をやめるわけにはいかない。
痛みを自心制御で緩和させる。
この程度、限界突破の使用後や光耐性を取ろうとしたときに比べれば生ぬるい。
しかし、それでも相手は迫ってくる。
やはり、強い。
ステータスはそこまでではないが戦闘慣れしている。
なぜ盗賊などしているのかと聞きたくなる。
とうとう、相手が目の前まで近づいてきた。
相手は剣に炎を纏わせている。
盗賊のスキルを見る限りそんなものはなかったが、剣の効果だろうか。
この攻撃は自分に無視できないダメージを与えてくる、そう直感したボクはその攻撃を避けようとする。
しかし、完全には避けきれずその一撃を食らう。
痛い。
それでもボクは盗賊にダメージを与えようと魔法を放とうとする。
しかし、隙が出来てしまった。
その隙に相手はどこからか取り出した瓶をボクに向かって投げつけた。
初の本格的な戦闘シーン。戦闘シーンってこんな感じでいいんですかねぇ?おかしかったら教えてくれると助かります。




