其の四十九「かえるのうたがきこえてくるよ」
これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない
いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。
全部で壱百八話。どれも短い物語です。
しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、
時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、
時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。
そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。
これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。
この話、本当なんです。
これは私の地元の友人から聞いた話。
いえ、地元の友人が娘さん(小学4年生)から聞いた、
学校の七不思議のひとつなのだそうです。
私のイメージでは、現代の学校の七不思議は、
私の知るものよりも時代に沿って科学的な方向に進んでいる――
そんな話なのかと思っていました。
例えば、授業で使うタブレットの怪とか。
しかし、そのイメージを大きく覆したこのお話には、
どこか懐かしさを感じるものがありました。
それはこんなお話です。
◇◆◇
○○小学校の七不思議・その3
「かえるのうたがきこえてくるよ」
○○小学校は、もともと広大な水田地帯を埋め立てた場所に建っています。
そのため、水田を住処にしていたかえるたちは、
その場所を追われたことを怒っていて、学校に祟りを起こしているらしいのです。
どんな祟りかというと――
夜になると、校舎の中からかえるのうたが
ケロケロ、ケロケロ、ケロケーロ、ケーロケロ……
と聞こえてくるのだとか。
田舎の学校だから、近所の水田から聞こえるのでは?
と思われそうですが、
それは 季節に関係なく、そして 校舎の中から 聞こえてくるのです。
夏の恒例行事であるクラス合宿の夜、
この“かえるのうた”を聞いたという生徒が何人もいるのだとか――
この話、本当なんです。
◇◆◇
と……そんな話なのですが、何というか……
かえるの祟りというから、どんな怖いことが起こるのかと構えていたら、
なんてかわいい祟りなのでしょう(笑)
住処を追われてしまったかえるたちには申し訳ないと思いますが――
そして、この話には“追い怖”も特になく、
かえるのかわいい祟りのお話のまま終了しました。
○○小学校。
確かにあそこの土地は昔、水田でした。
今となっては学校が建つ前の様子を思い出せませんが、
どこか懐かしさを感じる、そんなお話に、
背筋がゾゾゾとすることなく、心がほっこりした私なのでした。
この話、本当なら私、一度聞いてみたいと思います。




