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創作怪談:これから広まるかもしれない怖い作り話【復路】  作者: 井越歩夢


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其の禄従窮「ほほえみかめん」

これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない

いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。


全部で壱百八話。どれも短い物語です。


しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、

時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、

時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。


そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。

これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。


この話、本当なんです。



最近、過去の「これから広まるかもしれない怖い作り話」を読んでくださった読者様から、

感想のお便りをいくつかいただきました。とてもありがたく思っています。


そんな中に、「私の体験談」というお便りがひとつ。

仮にAさんからいただいたお話です。


これを読んだとき、私は確かに“ある意味で怖い話だな”と感じました。


今回は、心霊的な怖い話というより、人間的な怖い話です。

(Aさんに許可をいただき、そのまま載せさせていただきました。)


◇◆◇


風間先生、いつも怪談を楽しく(?)読ませていただいています。

前作最後のお話で、この創作怪談の中にはいくつか本当の話があると読んで、

ああ、やっぱりそうなんだと妙に納得してしまいました。


それ以降、先生の言う「もっと闇深い話をもとにして書いた1話」がどれなのか、

多分僕は第1話なのじゃないかと思っていますが、どうでしょう。


さて、今日は僕の体験談を聞いてほしいと思い、お便りしました。

結構前の話になりますが、僕が高校生の頃に体験した、ちょっと不気味な話です。


僕の通っていた高校に、物静かで物腰が低く、とても朗らかな印象の

男子生徒(B君ということにします)がいました。


際立って目立つわけでもなく、かといって陰気なわけでもない。

どこにでもいる普通の高校生という感じのB君ですが、彼には少し変わったところがありました。


彼の表情です。

彼はいつもどんな時でも微笑みを絶やさないのです。

どんな状況でも、口角を上げてニッコリとしている。


クラスのみんなも最初は「笑顔が素敵なB君!」などと言っていましたが、

そのあまりの笑顔の変わらなさに、時がたつにつれて不気味さを感じる人もいました。


いつもニコニコで、何を考えているのか、何を感じているのかが読み取れない。

次第にB君は影で「微笑仮面(ほほえみかめん)」と呼ばれるようになっていました。


そんな中、校内でちょっとした事件がありました。

新聞に小さく載る程度の事件です。

結局、犯人は分からずじまいでしたが、

その犯人がB君ではないかという噂が、クラスを超えて学校中に広まりました。


それでもB君は、いつも通り笑顔を絶やすことなく日々を過ごしていました。


そんなB君を、僕はとても不気味に思いました。


彼はいったい何を考え、何を感じているのか。

その笑顔の裏側には、どんな思いが隠されているのか。


事件後、教室で偶然B君と目が合ったとき、

彼の笑顔の瞳を見た瞬間、妙に背筋がゾゾゾ(使わせてもらいました)としたことは、

今も忘れられません。


心霊体験でも都市伝説でもない話ですが、

ある意味、一番怖いのは“何を考えているか読み取れない人”なのかもしれないと思った、

僕の体験談です。


風間先生、これからも怪談楽しみにしています。


◇◆◇


いつも笑顔で、何を考えているのかが表情から読み取れない。

「微笑仮面」とは、私的にはセンスのあるネーミングだなと思いました。


その微笑みは本心なのか、それとも仮面なのか。

どこかミステリアスにも感じられる、いい響きです。

ただ、それが陰でそう呼ばれていたというのには、少し引っかかりますが。


それはそれとして。


確かに、何を考えているか全くわからない相手というのは、

ある意味とても怖いと思います。

それが“笑顔”というのには、何か深い意味がありそうにも感じます。


そして、どんな事件だったのかはわかりませんが、

本当にB君はこの事件の犯人だったのでしょうか。


それはわからずじまいだったということですが――


もしかすると、B君の“笑顔だけ”が何かを知っているのかも。

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