Chapter 005_ファントム・ジ・オペラ②
「い、今のは兄様…アリュシオン・ピュシカ兄様です」
「にいさま?」
「ミーたちの…血の繋がった兄様だよ!えぇと、二つ名は【雷の魔術師】だったハズ…」
「え゙…」
「因みに私より年上。お母様が最初に産んだ子供よ。…ついでに。お母様の弟子でもあるわ。調和魔法の継承者としての二つ名は…たしか、【槍星】だったハズ…」
「えー…」
なにコノ家族…
母親と父親だけじゃなく、息子と娘も魔術師と魔女なの!?
というか、調和魔法に継承者なんていたの!?
肌の色も違うし…兄妹と言う割に、似てなくない?
情報過多でパンクしそうになったベルナールだったが、
とりあえず…
「す、凄い。お兄様だね…」
と、ありきたりの言葉を返した。
するとリチアが
「兄様には気を付けて下さいね!」
と、
ベルナールに更に詰め寄り、そう言った
続けたセルディアも
「あの通りの性格だから…」
そう言ってため息交じりに
溶け落ちた切っ先を眺めていた。
最後にミーリアが…
「簡単に言っちゃうとね。お兄様はマザコンで。お母様に近付く男性全てを敵だと思ってるんだよ!」
…と、皮肉交じりの苦笑いで
ジャスティスしたのであった
「・・・ほんと。困った子ね・・・」
苦笑いしたベルナールの視線の先で
頬に手をついて漏らしたフォニアと、
「ねー!」
胸の間から顔を上げたユキアが唱えた。
すると…
「…ったく」
「うにっ」
その小さな頭は大きな手に覆われ。
その手の主は…
「街中で通行人をいきなり殺した奴がよく言うぜ」
「ルクス「「お父様!」」」
ルクス…フォニアのパートナーであり、
1男4女の父親の1人ルクスであった
「ご無沙汰しておりますルクスお父様。ご機嫌麗しゅうございますか?」
「…あぁ。」
「お父様お仕事はいいの?また、お母様に無茶言われたの?」
「…そうだな。」
娘に囲まれた父親が
「お父様も冒険に行かれるのですか?」
セルディアのその言葉に
「それは…」
答えようとしたところ…
「マシェリーの隣はぁ…ぼくの物さ!」
…と、
今しがた降りてきた小型艇から
颯爽と飛び出し現れたのは…
「「「パパ!?」」」「フルートお父様!?」
夜の魔女フォニアの”2人目”のパートナー
【天弓】の魔術師
フルート・フィロソファー・ウィンド・ファイン
「さぁ、娘達!父の胸に、飛び込んでおいで!!」
1男4女の”もう1人の”父親であった
「おとーさまー!」
娘達に囲まれたルクスの立ち姿に自分を重ねたフルートは
4娘人全員を受け止めようと大きく腕を拡げていた
「…あ、あれ?娘…たち?」
…しかし。
現実は甘くなかった
「ミーリア」
「…」
「セルディアァ…」
「…」
…あぁ、悲しきかなフルート。
ミーリアもセルディアも、何とも
「ユk…」
「ユキはままがイイのです!」
「(悲)…」
銀髪の少年…いや、少し背が低いエルフ…のフルートは
信じていた娘達に裏切られ、捨てられた仔犬のような
悲しい目をした。しかし…
「本当にお久しゅう御座いますフルートお父様!ご機嫌麗しゅう御座いますかっ!?」
唯一、抱き着いてきてくれたリチアの愛に救われて…
「リチアー!!(涙)」
「キャッ!」
「お前は天使だぁー」
と言って強く抱き返した
「も、もぉっ!お父様の天使はお母様でしょっ!…///」
そう言って一歩下がったリチアは、
ベルナールをチラッと見て恥ずかし気に頬をそめ、そして
「み、みんなも…火、久しぶりだから。ちょっと驚いているだけですよ!…ね?ね!?ミーリア、お姉様…ユ、ユキアも。フルートお父様にご挨拶しよ!」
そう言ったリチアは小走りにユキアに近づき。
「ぅー…」
名残惜しそうなユキアを
「・・・んふふふ」
微笑みを讃える母の胸から抱き上げて…
「仕方ないわねぇ…」
「あ、あはははは…」
恥ずかしそうでバツの悪そうな…そんな笑顔の姉妹を
携え
「…さ、さ!お父様…みんな!!」
フルートの前に姉妹で並び揃い。
「改めて…」
「お、お帰り…」
「なさいませ!」
「フ、フルートお…」
「パパー!」
娘達の歓迎に
『ガバッ!!』
感極まったフルートは
4人をまとめて抱きしめて…
「むーすーめーよー(大号泣)!!」
………
……
…
「・・・ベルナール君」
やや、あって…
いつの間にか、隣にフォニアが…
「へ!?あ、はい!」
侍女服を来た2人の女性…1人は自分より若い女の子…と、
太いナイフを腰に佩いた、耳の大きな真っ白な獣人を連れて
立っていた
「・・・紹介するね。」
言葉と共に
「メイドをしてもらっているローズさんと・・・」
呼ばれた侍女は深く頭を下げてカーテシーをし…
「・・・それと、コットンちゃん。」
…その言葉に
「ふえっ!?」
なぜか、驚いた顔をした小さな侍女の女の子だったが
「…」
ローズ と呼ばれた先輩侍女の視線に気付いて
慌ててカーテシーをした
「・・・で。」
「うにゃっ」
微笑みを絶やさないフォニアは
獣人の女の子を両手で引き寄せ、胸に抱き
「この子はシュシュ。私の護衛よ」
「こんにちわです!」
全員の紹介を終えたフォニアは家族を見回して
「他にも・・・」
それから、足元の司書妖精
飛空船の飛行妖精と空舞妖精。指輪の蛇と帽子の星を
瞳に沈め…
「・・・妖精に精霊。弟子に生徒。祖父母に親戚。パトロンに、協力してくれる仲間・・・数えたらキリがないケド、この空の下にいるみんなが、私の大事な家族よ。」
…最後に。ベルナールに向けて
「・・・よろしくね!」
大輪の笑顔を咲かせた




