5/180
5.万能コンニャク
夜の帳が降りると、森は一変する。昼間の賑わいが嘘のように、すべてが静まり返る。空には月が高く浮かび、冷たい風が木々の間を抜けていく。
傷ついた犬は、少しずつ寝床へと向かっていたが、
「まさか…」
寝床の結界が切れていることに気付き、再び絶望を覚え。
・・・・・
一方、俺は、寝床になりそうなところを探していた。
遺跡みたいなところなので、場所には困らなそうだが、
「何かが出てきても困るし、あまり奥にはいきたくないなぁ。この辺でいいかぁ」
とりあえず雨・風を防げそうなところを今日のねぐらに決めて、もう一度、アイデアノートをひろげて見た。
名称:万能コンニャク
機能:欲しい効果を念じながら、取り出すと、その効果を持ったコンニャクになる
「おお、コンニャク屋の息子に生まれて良かったぜ。父ちゃん、母ちゃん、ありがとう!」
改めて両親よりも先立ってしまった不幸を詫びつつ、感謝を捧げた。
(ベットのようなコンニャクになれ)
気を取り直して、こう念じながら、コンニャクをリュックから取り出すと、みるみるベットサイズに大きくなって、床に広がった。
「おお、この弾力性は最高だな」
俺は横になって、悦に入った後、その日は眠りについた。




