172.砂漠のダンジョン
仕事について言えば、役割には2通りある。
1つは継続して仕事を進めていく人であり、もう1つは必要なときにだけその仕事に携わるひとである。
ただし、期間については、1日だけのアルバイトの場合から、ひと月の場合もるあるし、2、3年の場合もある。
正社員になっても、2、3年で転職する人は、後者の運命を持っている場合が多い。
したがって、仕事が続かないと、自分を責める必要は全くない。
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今回の宰相の役目も、何年かかかりそうだが、代役としての勤めを果たさば良いということで、引き受けることとした。
また、俺なりにもやりたいことがあった。
それは、オズマン帝国との交易である。というのも、オズマン帝国との国境付近は広大な砂漠地帯であり、この世界では、往来が不可能と考えられていたのだ。
そこで俺は前世の知識を役立てようと思った。
つまりは、ラクダの活用だ。
(まずはラクダを確保しないと・・・)
「ユーコ、ラクダという生き物を知らないか?」
「知ってる。『砂漠のダンジョン』にいた。」
「魔物なのか?」
「ラクダは魔物ではないが、ダンジョンには中級の魔物もいる。」
「よし。ユーコ、久しぶりにダンジョンに潜るぞ。」
「分かった。ジローも連れて行く。」
こうして、3人で『砂漠のダンジョン』に向かった。