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169.外科手術
「脳出血が起きているため、昏睡しています。早く手術をしないと、命の危険があります。」
野営所に立てられた粗末なテントの中に寝かせられているヨッシー王を診察して、ユミさんがそう宣言した。
一瞬、沈黙が流れた後、俺が口を開いた。
「俺なら出来るかもしれない。」
「リョータ、これは確かに外傷だけど、脳内に出来た血の塊を取り除かないと治らないから、コンニャクヒールでは無理だわ。」
ユミさんは冷静にそう返した。
「いや、違うんだ。今は説明している時間はないが、今の俺なら、外科手術ができる。」
というのも、ヨッシー王を見た瞬間に、何故か『医者』の加護スキルが覚醒していたのだ。
「ただし、この衛生状態では厳しいな・・・」
俺がそう言うと、皆が下を向いて考え込んでしまったが、
「そうだ。コロネットの結界は使えないかしら。」
ユミさんが提案してきた。
「よし、やってみよう。まずはおれがコンニャクベットをつくるから、そこにヨッシー王を移して、その後、回りを結界してみて。」
「分かった。やってみる。」
コロネットに大きさなどの細かい指示を出して、すぐに準備に取りかかった。