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166.結界師コロネット

コロネットは日に日に成長していった。


俺はコロネットのためにも戦のない世界にしたかったが、戦は数百年も続いている。


それでも、人間はいつの時代でも夢を抱く力があるのだから、不思議な生き物であった。


世の中に溢れる没義道もぎどうに負けることなく、悲嘆や怨嗟えんさを口にせずに、明日を信じられるのが人間であった。


コロネットにそこまでの人間らしさというものを理解して身につけさせようとするのは無理な話ではあるが、諦めない心だけは持たせてやりたかった。


・・・・・・


コロネットをユミさんに預けて1ヶ月ほど経ったとき、ユミさんが慌てるようにして俺の部屋に入ってきた。


「リョータ様。コロネットちゃんは大変な能力の持ち主かも知れません。」


「えっ?」


余りにも急な話だったので、俺は何事かと身構えた。


ユミさんは興奮したまま話を続けた。


「私が薬の調合に失敗して、爆発事故を起こしてしまったのですが、コロネットが咄嗟にバリアを張って、私を守ってくれたのです。」


「コロネットは今までそんな能力を自覚している様子はなかったから、本人も知らなかったということか。」


俺とユミさんはコロネットのところに行って、意識的にバリアが張れるかどうかを確認した。


「んーとー、バリア!」


コロネットがつたない口調でそう唱えると、自分を包むようにバリアが張られた。


「おお、出来るみたいだな。」


直接見ることはできないので、コロネットの周囲を、コンコン叩きながら確認した。


「これは使えるかもしれないな。」


俺はこの世界来たばかりのころに、「結界師の護衛」で訪れたあの村を思い出していた。


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