コロネット
どんなに立派なビルを建てても、将来は必ずしもゴミになる。
それよりも、地道に木を育てて、自然を豊かにしていけば、人間も豊かに暮らせる。
俺の加護スキルの一つに「山師」というのがあり、いつのまにか、金山や銀山を見分けることができるようになっていた。
しかし、そのご先祖様が、枕元に立って、
「金山や銀山は掘ってはならん。それらはそこにあるからこそ、その土地を守っているんだ。掘り尽くしてしまったら、その土地は見捨てられた土地になるだろう。」
と言っていたため、誰にも教えることはしなかった。
と言うのも、実は動物園は、金山の麓に作られたのを知ってしまったからだ。
それはそうと、動物園が後少しで出来上がりそうだという、ある日、カトリーヌが亡くなったということを聞いた。
俺はとりあえずカトリーヌの家に行き、カトリーヌの冥福を祈った後、ブラックキャットに会った。
「カトリーヌは残念だったな。」
「それはそうだが、充分な残り時間を貰ったと、喜んでいたよ。」
「そうか。それでブラックキャット、お前はこれからどうするんだ?」
「まだ何も考えていない。逆にこの長すぎる寿命にも困るものだな。」
・・・・・・
それから、俺はブラックキャットにユーコとジローのことを話し、「進化の実」を食べさせた。
そしてブラックキャットは猫耳女の子に進化した。
「よし、俺が名前を付けて上げよう。『コロネット』はどうだ?」
「『コロネット』か、まあ、素晴らしいですわね。」
「その話し方は止めろ。カトリーヌの話し方は特別だから、コロネットには似合わないぞ。」
こうして、また1人、仲間が増えた。