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161.カトリーヌの容態
ブラックキャットに案内されて、カトリーヌの部屋へと入ると、カトリーヌはベッドに寝たままで、目だけをこちらに向けた。
「ブラックキャットが案内してきたの?じゃあ、お客様ね。寝たっきりでごめんなさいね」
「気にするな。俺はリョータ。勝手に押しかけてすまんが、俺達はヨッシー王の使いのものだ。」
「ヨッシー王?」
「ああ、何でも昔、結納の話が有ったとかで様子を視てきてくれと頼まれたんだ。」
「結納?」
「?」
「もしかして、リョータ様は日本人なの?」
「ああ、そうだが、よくわかったな。」
「だって、結納なんておっしゃるから、きっと、日本人かと。」
「そうさ。君も転送者なのか?」
「ええ、そうよ。死んだら、またどこかで生まれ変わるのかしら?」
「それはわからないが、もう少し生きたいのか?」
「ええ、まだ始めたばかりで、絵日記が完成してないのよ。」
そこまで話したとき、俺は初めて、神様から授かった寿命ってやつを使ってみる決心をした。